――自由の国・アメリカのなかで噴出する差別意識。その一端を現す、警官らによる黒人死亡事件の事例を挙げる。
『アメリカ人種差別の歴史』(福村出版)
12年2月26日 フロリダ州サンフォードのゲーテッドコミュニティで、地元自警団のヒスパニック系白人男性が、丸腰の黒人男子高校生を不審者と思い込んで付きまとい、射殺。翌年7月、地元の大陪審はこの白人男性の正当防衛を認めて無罪評決を出した。
12年11月29日 オハイオ州クリーブランドで発砲の通報を受けて駆けつけた警官らが、黒人カップルが乗る車とカーチェイスをした後、137発を発砲。カップルは47発を浴びて死亡。殺人罪に問われた白人警官は15年5月に無罪となったが、16年1月に警官6人が懲戒免職に。