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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【43】

巨人軍の選手が手を染めた野球賭博はなぜ“悪”か? その構造的要因を探る

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

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巨人選手が賭博に関与
2015年10月、巨人の福田聡志・笠原将生・松本竜也各選手の野球賭博関与が発覚。3選手には無期失格、契約解除の処分が下された。その後、各球団で試合前の「声出し」や練習中のミスなどをめぐり選手間で金銭のやり取りがあったことが判明。さらに16年3月、巨人・高木京介選手の野球賭博への関与も発覚、渡邉恒雄最高顧問らが引責辞任する騒動となった。


 2015年10月に発覚したプロ野球・読売ジャイアンツの現役選手の野球賭博への関与。球団は賭博にかかわった4選手の契約解除、渡邉恒雄最高顧問ら幹部3名の引責辞任という形で火消しに努めたものの、問題は収束せずに球界全体へ波及。日本野球機構および各球団による調査の結果、自チーム公式戦の勝敗や守備練習中のミスなどを対象とする選手間の金銭のやりとりが常態化していたことが明らかとなり、16年3月に開幕したペナントレースにも暗い影を落としています。

 のちに明らかになった選手間の金銭授受はともかく、一連の騒動の発端となった4選手の行為が賭博罪に当たるのは明白です。すでに警視庁も4選手から任意で事情を聴取し、調べを進めているという。実際に刑事罰が下されるかどうかは微妙ですが、現役選手がファンの信頼を裏切る行為に手を染めたことの責任は重大であり、失格・契約解除という重い処分が下されたのは当然のことでしょう。

 ただ、国民の反応を見ると、賭博という4選手の行為それ自体については、そこまで悪いことであるとは認識していないフシがある。もちろん法律的には“悪”とされているけれども、誰に危害を加えるでもなく、自らの意思で自分のカネを賭けたのがそんなに悪いことなのか。一般社会でも広く行われている賭けゴルフや賭け麻雀とどこが違うのか。そんな疑問を抱いている人が多いのではないでしょうか。

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