1799(寛政11)年に出版された春本『願ひの糸ぐち』より、喜多川歌麿が描いた春画。
(画像提供/国際日本文化研究センター)
江戸の春画では、女の乳房が性的な対象として描かれることは少ない。そんななか、上図のような春画もある。
対面座位で性交しながら、男が乳首を口にふくんでいる。
春画には、乳房だけを愛撫している図柄はほとんどない。たいていは図のように、まず陰茎を女の陰部に挿入し、それから舌で乳首をなめるという展開が多い。まず性交ありきである。
この展開は、実際の男女の性行為でもほぼ同じだったと思われる。