新聞記者が語る週刊誌の記者たち
SMAP分裂騒動、ベッキー不倫騒動、甘利大臣スキャンダル……等々、昨今連発される“文春砲”の影響で、最近の雑誌界隈はお祭り騒ぎ。さて、ではこうした状況を、メディアの“第一人者”たる新聞紙の記者たちはどのように眺め、どんなことを感じているのか? 数人の現役記者に集まってもらい、話を聞いた。
「週刊文春 2016年 3/24 号」
【座談会参加者】
A:全国紙ベテラン記者
B:全国紙中堅記者
C:全国紙中堅記者
A 今年に入ってからの話題は、ベッキー不倫騒動、甘利明・前経済再生担当相の金銭授受疑惑、育休を宣言した宮崎謙介・元衆院議員の不倫など「週刊文春」のスクープばかり。
B 「文春砲」という言葉がすっかり人口に膾炙してしまいましたよね。発行部数【1】を見ても文春の一人勝ち。1990年代は「週刊ポスト」と「週刊現代」が1、2位の座を争っていたことを考えると、隔世の感がする。
A 文春は編集会議で毎週5本は企画を上げさせて、モノになりそうなら数人のチームを組んで何カ月かけてでも記事にしようとするとか。給料もいいから、他雑誌で鳴らした契約記者が集まっているし、12年からは敏腕で知られる新谷学編集長が就任。彼は昨年10月に春画の掲載で「編集上の配慮を欠いた」として3カ月の休養を命じられたけど、その間も隠し持っていたネタの仕込みを進めさせていたらしいよ。
C 文春は、取材にかける人手とカネがすごいですよね。地方で事件があっても、一気に何人も記者を投入してごそっと情報を仕入れていく。新聞社の記者って互いに競争相手だからあまり情報交換しませんが、週刊誌の記者とは現場で会うと名刺交換することもあります。そうすると、地方支局にいる若手新聞記者では得られないような暴力団筋などの情報を持っていて驚かされることがある。