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更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【7】

幽霊、栄枯盛衰の構造を振り返る。

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――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

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この雑誌の依頼で永江氏にインタビューされたのだが、内容も号数もまったく覚えていない。

 幽霊の分際で、たまにうっかり世間の中へ紛れ込むと「美少女ゲーム、深夜アニメ、ライトノベルなど、90~00年代のオタク系サブカルチャーを語っていた批評家が、どうして語らなくなったのか?」と聞かれることがある。まことに申し訳ないが、そりゃ語るほどの熱意がなくなったからだ。または語ることが野暮天だと思い至ってしまったからだ。平然と語れるなら、わざわざ幽霊を自称する必要もなかろうて。

 かくして、「私の身体を通り過ぎていったジャンル」という話題だが、20年前に批評を書き始めたのは、当時やっていた仕事で「批評を装った販促」を思いついたからだ。2015年なら間違いなく自作自演のステマと糾弾されるだろうが、インターネット元年にそんな概念はなく、成り行きで同業他社の依頼原稿を書いたり、永江朗氏にインタビューされたりしているうちに仕事を辞め、批評が本業になってしまった。その程度の動機だから、元の仕事に近いジャンルばかり扱っていたが、やがてどのジャンルも同じような栄枯盛衰のプロセスを辿ることに気づいた。

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