――日本では「斜陽産業」と言われて久しい繊維産業だが、人口増加や新興国の発展を背景に右肩上がりの拡大を続けている。2007年から2013年で、40%あまり規模を広げているのだ。
[出所]FEB「Fider Organon」 [注]オレフィン系繊維を除く
この合繊市場を牽引するのはSinopecグループを擁する中国、Relianceが拠点を構えるインド、そしてインドネシア、ベトナム、タイなどのASEAN諸国。これらの国々では、低コストで大量生産が可能なことから生産量を増大させており、とりわけ世界最大の合繊生産国である中国の世界シェアは70%近くと圧倒的。2015年も前年比10%あまりと右肩上がりの成長を続けている。一方、韓国や西欧、日本など価格面では太刀打ちできない先進諸国では、合繊生産量を徐々に減少させつつある。日本企業は、高機能繊維の開発や、炭素繊維、ポリエチレン繊維など、途上国が真似することのできない技術力で売り上げを確保している状況だ。