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第1特集
ヤクザの遺産相続とトラブル

暴力団員もやっぱり相続でモメるのか? シャブ密売の儲けも遺産になる !? 義理人情より重たいヤクザの相続

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――暴力団員が銀行口座を開けない今、ヤクザの遺産はどこにあり、それはどう相続されるのか? また、遺産相続といえば一般人でもモメやすいが、ヤクザの身内ではどんなトラブルが起きるのか? ベストセラー『磯野家の相続』(すばる舎)を著した弁護士の長谷川裕雅氏に、ヤクザの相続問題について話を聞いた。

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構成員のみなさんも、弁護士・長谷川裕雅氏のベストセラー『磯野家の相続』(すばる舎)を一読すべき!

 いつ抗争が起き、命を落とすかわからない暴力団の構成員。そんな突然の事態に、遺産相続をめぐってトラブルになったりしないのだろうか? 相続といえば、一般人ですら裁判沙汰になるというのに、暴力団員の家族が本気でモメたら、血で血を洗うことになりそうなものである。そこで本稿では、『磯野家の相続』(すばる舎)や『みのもんたにならないための危機管理マニュアル』(小社刊)などの著書で知られる弁護士の長谷川裕雅氏に話を聞きながら、暴力団と相続について掘り下げてみたい。

 まず疑問なのは、そもそも暴力団員は遺産を相続することができるのか、ということである。暴力団員→暴力団員、一般人→暴力団員、暴力団員→一般人といったそれぞれのケースがあるが、いずれの場合も、答えは「できる」という。「暴力団員だから」という理由で相続できないことはないのだ。

 だが、例えば、一般人→暴力団員の場合、「反社会的な行為を行っている子どもに相続させたくない」という場合もあるだろう。

「親子の縁を切ることを俗に“勘当”といいますが、民法上、勘当という制度はありません。養子関係での協議離縁は別として、親子の縁は切ることができないことになっており、互いに扶養義務などの権利義務は継続します。ただし、相続に関して、親不孝な子どもに対して相続人の資格を失効させることはできます。それが、“廃除”という手続きです。しかしながら、“暴力団員である”という形式だけでは廃除の理由にはならず、よほどの親不孝でなければ、なかなか認められないというのが実情です。もっとも、親の反対を押し切って暴力団員と結婚し、父の名で披露宴招待状を出した娘を廃除できるとした裁判例(東京高裁決定平成4年12月11日)があります」(長谷川氏、以下同)

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