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第1特集
六代目が復刊させた山口組新報を徹底解剖

釣り情報に百名山の紹介、街の人の声もひろう……機関紙・山口組新報を徹底分析!

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――一昨年の夏ごろに、突如発行され一部関係者の間で話題となっていた機関紙・山口組新報。司忍六代目の言葉や、川柳、時事放談などバラエティに富んだ記事が掲載されたその新聞を、ベテラン経済ジャーナリストが分析。その内容を解体していくと、山口組分裂の兆しが、そこかしこに見てとれた──?

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【1】山口組新報創刊号の1面右上に掲載された「綱領」。「山口組は侠道精神に則り国家社会の興隆に貢献せんことを期す」とし、5つの言葉が掲げられている。【2】同じくトップに掲載された司忍六代目の言葉。「しき嶋の  やまとごゝろをひととはゞ  朝日にゝほふやまざくら花」という巻頭の句と、「試練の中から前進しよう!」と題された言葉が掲載されている。

「今、思えば、あの時点で山口組内部の崩壊は、かなり進んでいたのだろう。その危機感が、あのような形で表れたのではないか」と警視庁の暴力団担当者は回想する。

 あのような形とは、山口組が約2年前の2013年7月1日に創刊した「山口組新報」を指す。タブロイド判の新聞形式で作られたもので、これまで年4回ほどのペースで発行。日本最大の組織暴力団が新聞を発行したことで、大手新聞も取り上げるほど話題になった。

 しかし、その内容は決して親睦を目指したものではない。確かに、歴代の組の功労者にまつわる逸話や幹部の言葉などから、旅行記などカルチャーページまで、その内容は多岐にわたっている。親睦を促すようなコーナーもあるものの、発行の狙いは“組織の結束”を目指したものであることが、今再読すると明らかにわかる。逆に言えばやはり、当時すでに山口組内部には、崩壊の影が忍び寄っていたのだろう。

 こうした見解を元に本稿では、「山口組新報」から崩壊の兆しを読み取り、検証してみよう。

 創刊号でまず目につくのは、1面トップに掲げられた「山口組網領」【1】だ。「綱領」とは、政党や大衆団体などの 基本目標、当面の要求、これらの実現の方法、組織の規範などを規定した文書をいう。

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