『9・11の標的をつくった男』(講談社)
――建築家という人種はプレイボーイのようで、女性関係で話題になった日本人建築家は数多くいるという。
「その先駆けと言えるのが、明治大正に活躍し、歌舞伎座や明治生命館を手がけた岡田信一郎(1883~1932)。彼の妻・萬龍は日本一の美人と言われた芸妓で、今で言えばトップアイドルのような存在。岡田自身もとてもハンサムな男性でした。またノアビルなどが有名な白井晟一(1905~83)にも、有名な逸話があります。彼はドイツの哲学者・ヤスパースのもとで哲学を学んでいましたが、同じくヨーロッパを訪れていた作家の林芙美子と出会い、恋に落ちています」(磯氏)