――今や深夜バラエティの女王となったマツコ・デラックス。実に7つもの番組でMCを務めているが、内容はかぶらないのか?テレビ業界関者が、匿名でマツコMCの番組を内容から比較レビューした。
■マツコバラエティの最新形体
『夜の巷を徘徊する』
(テレビ朝日系列、毎週木曜24時15分~) 放送開始:2015年4月~ 共演:なし 演出:非公開 チーフ作家:非公開
マツコが独りで夜の東京を徘徊する、初の完全ロケバラエティ。BGMが一切流れないため、バラエティというよりはドキュメンタリーを見ているような感覚が味わえる。またテロップも必要最低限しか使用せず、通常オープニングで流れるアバンVTRを使用しないなど、テレビ界の王道な演出をできるだけ避けているのも特徴的。もっとも素のマツコを堪能できる番組である。おそらくロケの事前許可を取らずに撮影していると思われ、いわゆるアポなしロケである。その意味では『電波少年』(日テレ系)以来のガチ・バラエティと言えるかもしれない。マツコ×ガチの化学反応が今後も楽しみである。
■ほぼラジオ番組みたいな作り
『マツコ&有吉の怒り新党』
(テレビ朝日系列、毎週水曜23時15分~) 共演:有吉弘行、夏目三久 放送開始:2011年4月~ ゼネラルプロデューサー:藤井智久 チーフ作家:そーたに
投稿を読み上げてMCがコメントするというベタでラジオチックな内容だが(深夜ラジオでさえ、こんなシンプルな構成は存在し得ない!)、テレビ界の頂点に君臨するツートップ、マツコ&有吉がいれば、そんなシンプルさでさえ、唯一無二の武器になる。良い素材ほど、シンプルに料理したほうがおいしくなる好例であろう。