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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

対外宣伝のフロント

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海軍を特集した「FRONT」1-2号の中面。

 1941年、三井、三菱、住友といった財閥などからの出資によって対外宣伝機関・東方社が設立され、翌年には「FRONT」が創刊された。ソ連の「USSR in Construction」(以下「USSR」)のような国家規模のグラフ誌をつくりたいという陸軍参謀本部からの要望を受けてのもので、当初の誌名は「東亜建設」であったが、最終的に「戦線」や「前線」を意味する「FRONT」となった。

 東方社には写真部主任の木村伊兵衛や美術部主任の原弘らの下、若手カメラマンの濱谷浩や菊池俊吉らが集い、林達夫ら知識人も参加した。「海軍号」「陸軍号」「満洲国建設号」「落下傘部隊号」など毎号特集形式をとり、44年までに9冊が刊行された。最初の2冊こそ15カ国語版で制作されたものの、戦局の悪化とともに徐々にバリエーションを減らしていき、英語と中国語に絞られるようになる。

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