――相変わらず不振が続く出版業界。栗田出版販売の民事再生法申し立ては、業界を不安のどん底に突き落としている。出版業界は、どうなってしまうのか?
(絵/小笠原徹)
パッチワーク通信社の倒産や、「美術手帖」で知られる美術出版社が民事再生法の適用を申請したりと、今年も出版界の暗いニュースが飛び込んでくる。それと足並みを揃えるように、売る側の書店も、さらなる不況に突入しているようだ。
1999年には2万2296店あった書店は、14年に1万3943店にまで減少(14年5月1日現在。日本著者販促センターHPより)している。
そして、こうした出版社・書店の疲弊の影響は、その間に位置する流通業者「出版取次」にも及んでいる。15年6月26日、取次業界4位の栗田出版販売が民事再生を申請したことが大きなニュースになった。負債は134億9600万円に上り、出版取次の倒産では過去最大規模だという。
「小学館では、栗田の倒産が報じられたその日に、同社の再建を支援するという記載込みで全社メールが回ってきたそうです」(大手出版社社員)