――その肢体を商品として売り出すのがグラドルというビジネス。ただし、それだけで商品になるのは実は10代までで、それ以降も芸能界で生き残っていくのにはなにかスキルが必要となってくる。果たして彼女たちが、グラドルとして商品価値があるのはどれくらいまでで、その後どのようなキャリアを歩んでいくのだろうか?
雑誌のグラビアで健康的な肉体を誇示する若い女性たち──グラビアアイドル。今、彼女たちの仕事は、大きな時代の変化に直面しているという。マンガ誌や週刊誌の表紙などの活動の拠点が、AKB48のメンバーをはじめとする「アイドル」たちに奪われている。もしやグラドルという職業は、希少種となりつつあるのだろうか?
アイドル・キルズグラビアスター
世界の美女ランキングなどにもその名が上がる佐々木希も、かつてはグラビアを席巻した。またその美しい肢体を拝みたい!
グラドルが最後にメディアを席巻していたのは2000年代中頃までだろう。イエローキャブから小池栄子、MEGUMIら今なお芸能界をサヴァイブするグラドルが多々登場したのがこの頃だ。ほかにも磯山さやか、井上和香、眞鍋かをり、優香といった面々がブレイクしていった。
「しかし、06年にデビューしたリア・ディゾンを最後に、そうした流れが急速にしぼんでいった。きっかけは、同じ頃デビューしたAKB48の台頭です」(テレビ制作会社ディレクター)
秋元康によるビジネスモデルが、グラドルが多くの人の目に触れる手段であったグラビアを奪ったことは、昨今の業界の中でたびたび語られてきた。
「AKB48の人気が落ちてきた、という指摘もありますが、それでも柏木由紀やNMB48の山本彩などを出せば圧倒的に雑誌が売れます。一方、グラドルでその対抗馬になるのは篠崎愛や吉木りさなどごく少数にすぎません」(雑誌編集者)
また、アイドルと競合する場は雑誌だけではない。グラドルがグラビアで得た人気をバネに次に目指すのは、言うまでもなくテレビだ。しかし、ここにもAKB48という壁が立ちはだかる。
「AKB48は、アイドルとグラドルの中間くらいのポジションです。指原莉乃も、大島優子も、グラビアもしゃべりもガンガンこなす。例えば、バラエティ番組のひな壇に10人程度が座るとして、その構成はメイン所が3人、賑やかしの芸人が2~3組、そして彩りとして女性が2~3人といったあたりが一般的ですが、この女性枠は一時、グラドルの専売特許でした。しかし、今やそのパイもほかのアイドルに奪われてしまっています」(前出・テレビ制作会社ディレクター)