――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!
『Blue Sapphire―三船美佳写真集』(インフォレスト)
高橋ジョージ・三船美佳夫婦が離婚危機にあるという。かつては「おしどり夫婦」と呼ばれテレビに二人で出ることも多かった。彼らの離婚情報を総合すると、離婚したい妻と離婚したくない夫の構図。当然、こういう場合、妻側から夫を非難するような情報が伝わることがある。ベテラン芸能記者の話。
「今回は"スポニチ"のスクープでしたが、夫婦の機微な部分を関係者や友人の話として紹介している。こういう場合、実際に周辺からの情報の場合もあるが、夫婦生活の恥部をそうそう他人に話すものではない。また、信頼関係からこのような情報を聞いた友人もそう簡単に他言することもない。むしろ、これらは本人からの話だが、本人が話したとなれば、相手側を刺激し怒らせることになるということでワンクッションを置く意味でも、関係者の話として構成する場合が少なくない」
真意のほどはともかく、高橋がすべてに反論しない以上、裁判になっても三船有利に働く可能性は高い。スポニチのライバル紙記者はこう話す。
「三船の言い分は高橋が必要以上に美佳を拘束するという話で、"モラハラ"と呼ばれる言葉による精神的な暴力を指摘しています。すべてが事実とすれば、明らかに高橋が悪くなる。三船には同情が集まり、高橋の今後の芸能活動にも支障を来たすことになる。対抗するには、高橋も美佳のいけない部分を明かすしかない。そうなれば、かつて離婚裁判で暴露合戦になった高嶋政伸と美元夫婦のような争いになり、マスコミ的には面白くなるんですが(苦笑)」
今後は高橋の出方が注目されるが、長年芸能界を見てきた筆者としては、美佳の父親である故・三船敏郎氏との因縁を感じる。
日本を代表する俳優だった三船敏郎は晩年、正妻と別居。美佳の母親である女優の喜多川美佳と同居生活を始めていた。いわゆる愛人関係にありながら出産したのが美佳だった。父親六十四歳・母親三十四歳の時の子である。
三船は正妻との離婚を求めていたが、正妻は頑として認めなかった。当時、正妻に何度となく取材したが、自分から三船を追い出した形でありながら、離婚を認めなかったのは、正妻の意地と感じた。彼らの関係を認めて、晴れて喜多川が三船の正妻に付くことを許さなかったのだろう。女の意地を痛感した記憶がある。
もし、高橋が絶対に離婚を認めなければ、父親と同じ運命を辿ることになる。
三船夫婦は元々、「夫婦キャラ」として売り出した。年の離れた「おしどり夫婦」として世間の注目を浴び、売れた。芸能界には「仲の悪いおしどり夫婦」という言葉がある。
「本当はあまり仲良くないけど『夫婦セットなら仕事にありつける』ということから、夫婦仲の良さを前面に出してセット売りする方法。事実、ジョージ・美佳夫婦は売れた。また、"鬼嫁"として夫婦で売れたのが、ジャガー横田・木下博勝夫妻。彼らは高橋夫婦とは違い、ジャガーの鬼嫁ぶりで売れた。元々、女子レスラーでしたから、ダンナを怒る姿は迫力あるし、鬼嫁ぶりに説得力があったので主婦層には受けた」(テレビ関係者)
ところが、最近はすっかり画面から消えた。
「写真誌で報じられた木下医師の浮気疑惑が大きい。沖縄の水商売の子に告白されているだけに、どう否定しても本物感は強い。夫は医師が本業。別にテレビに出なくてもいいわけですから、今後、夫婦間がどうなろうと関係ないが、鬼嫁キャラだったジャガーはこれで出番はなくなるでしょうね」(前出)
大阪に居を構え、娘と母親と暮らす美佳は関西ローカルながら何本ものレギュラー番組を持つ売れっ子。対する高橋は一時はご意見番的存在として数々の情報番組に出演していたが、すでに減少傾向にある。「勝負あった」感は否めない。
夫婦関係に永遠はない。夫婦キャラを売りにすれば、今の時代は売れるキャラだが、リスクも出てくる。「夫婦それぞれの浮気などスキャンダルは絶対にご法度。それどころか、夫婦で一歩でも外に出たら、人前では仲のいい夫婦を嫌でも演じ続けなければならない。所詮、ただのお喋りタレント。それも『おしどり夫婦』というキャラがあるから仕事があるだけ。いずれ限界は出てくる。夫婦漫才で仲の悪い夫婦と言われている人もいますが、私生活では仲が悪くても、漫才という芸があるから通用する」(芸能関係者)
準備万端、夫婦キャラからいち早く抜け出した美佳。今後はシングルマザーとして活動の場を広げるという。女は、やはり強い。
ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母親が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。