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【詩人】文月悠光のアイドルで現代詩【6】

「自己愛に覆われた 世界大の人類愛」

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――若手女流詩人が読み解くアイドルたちのコトバ

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HIROの著作『ビビリ』(幻冬舎)。本文中の発言も収録されている。

もしも生まれ変われるなら、また自分に生まれたい。――HIRO(EXILE)

 生粋の文化系である私には、EXILEも、彼らのファンも宇宙人のように見える。ユニットの枠を超え、系列グループはHIROいわく〈小さな国〉。その領地は拡大し続けているようだ。彼らは家族や友人への恩義を忘れず、〈愛〉を伝え続ける。まっすぐな姿勢は、彼らの掲げる〈人類愛〉にふさわしい。もっとも(著書によれば)、それは〈自己愛〉に根差しており、絶対的な自己肯定の膜に覆われている。

 発言はいちいちスケールが大きい。人生進化しすぎ、未来輝きすぎ……口出しすれば、暴かれるのは己の闇ばかり。男同士の人間ドラマは、女性を魅了するか、はたまた排除するか。私は確信した。何万回生まれ変わろうと、EXILEにはなれない。彼らの定義する「人類」の中に、私はいないのだ。

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