サイゾーpremium  > 連載  > 小原真史の「写真時評 ~モンタージュ 過去×現在~」  > 写真時評~モンタージュ 現在×過去~【34】
連載
写真時評~モンタージュ 現在×過去~

アメリカの〈核家族〉(上)

+お気に入りに追加
1502_ph_04.jpg
「原子力平和利用博覧会」の開催中に出された『原子力平和利用の栞』

 東日本大震災によって原発の「安全神話」は崩壊したかに見えたが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」がごとく、川内原発の再稼働と新設の大間原発の運転に向けた手続きが動き始めている。日本は再び原発大国の道を歩むことになるのだろうか。

 日本への原発導入の原点は、アイゼンハワー政権が提唱した政策「アトムズ・フォー・ピース」、すなわち「原子力平和利用」であった。アメリカはソ連の原水爆実験成功によって核兵器の独占状況が崩れると、「原子力平和利用」を打ち出し、商業用原子炉の開発を進めた。非核兵器保有国に原子力技術を「平和利用」にのみ限定させ、それを輸出することで西側同盟諸国や第三世界を自らの陣営に取り込むことを図ったのである。アメリカの覇権維持と軍事産業による国外資本の支配という目的を、さまざまな宣伝工作が覆い隠していった。その一つが「原子力平和利用博覧会」であったことは周知の事実だろう。この博覧会には、正力松太郎率いる読売新聞をはじめとする日本各地の新聞社とともに、米国広報文化交流庁(USIA)の海外ブランチである米国広報文化交流局(USIS)が共催に名を連ねていた。アメリカの対外宣伝機関が関わっていたことからも知れるように、この博覧会は核兵器のネガティヴな側面を払拭し、耳あたりのいい「平和利用」を前景化するためのキャンペーンにほかならなかった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ