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第1特集
『美味しんぼ』に見る食マンガ金字塔の功罪【3】

実は作画の花咲アキラこそ長寿連載の立役者だった!?

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――単行本111巻、累計部数は1億3000万部という数字を持つ『美味しんぼ』は、日本で史上10番目に売れたとされる作品だ。賞味期限切れと言われて久しいが、マンガとしての真価は、今どう評価されているのだろうか?

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山岡が雄山を面と向かって「父さん」と呼んだ、歴史的瞬間!(111巻より)

 こちらで見たように、『美味しんぼ』が日本の食文化に与えた影響は良くも悪くも小さくない。それでは、食マンガの草分けとして考えたときに、マンガの世界に与えた影響はいかほどのものだったのだろうか?

「『美味しんぼ』が始まった当時、料理・食マンガの手法は、まだ確立されていたとはいえない状況でした。70年代には少年マンガで『包丁人味平』(集英社)があり、料理対決という内容ではありましたが、基本的に『ジャンプ』マンガらしい特訓とレベルアップ、ライバルの存在などが重視されており、肝心の料理の現実的な出来栄えや細かい味覚の表現などはされていませんでした。要はスポ根マンガのフォーマットだったわけです。83年に『美味しんぼ』が登場して、非プロフェッショナルの主人公らがウンチクを語りながら料理の"批評"を行うというフォーマットが形作られた。これは原作者である雁屋哲氏の力量によるところでしょう。『包丁人味平』と『美味しんぼ』によって日本の料理・食マンガの道筋が固められ、80年代後半から青年誌では、こぞってこのジャンルのマンガが掲載されるようになりました」(中堅出版社・青年誌ベテラン編集者)

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