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第1特集
東京の神社を悩ます人手と収入【2】

町の集会所が”宗教法人”になるまで……GHQの脅威と戦ってきた神社と神職の基礎知識

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神社本庁ができたことにより、神職同士の交流が生まれたことも確か。

――山や川、木や花など、自然のすべてのものには神が宿る……そんな八百万の神を信仰する、寛容な宗教である神道。まずはその歴史をさかのぼってみよう。

 日本における神道の歴史は、戦前と戦後で大きく分けられる。戦前の神道は神社を中心とする「神社神道」として、各地域の文化や伝統が色濃く反映されていた。ところが戦後、1945年に連合国軍総司令部(GHQ)による「神道指令」が発令され、「GHQの”宗教改革”によって神社がなくなる」という危機感を持った神社界の有志たちにより、「神社本庁」が設けられた。これによって、全国の神社は包括されるようになったのだ。

 さらに翌年の46年、神社は「宗教法人」として認可される。つまり、これを境に、町の公民館的な役割を果たしていた神社は、仏教やキリスト教などと同じ”宗教”として正式に定められたのである。

 以降、神社に奉職する神職には神社本庁が発する資格も必要となる。資格を取得するためには、【1】神道系の大学に4年間通う、【2】通信教育を受ける、【3】一部の県の神社庁が開催する短期講習を受ける、といった方法がある。ちなみに、卒業後自動的に神職資格の取れる大学は全国に2つ。東京の國學院大学と三重の皇學館大学だ。ただし、資格を取れたからといって、もともと社家の跡継ぎでもない限りは、その就職は容易なものではない。明治神宮のような大社でも、2年に1度、國學院からひとり、皇學館からひとり程度の採用だという。採用後も、その給与が初任給で10万円前後という神社は少なくない。

 また、神社本庁の包括下にある神社には、祀られている神様のお役目によって「氏神神社」「崇敬神社」と分けられるほか、「別表神社」と呼ばれるものがある。「神道指令」によって、それまで法令で指定されていた社格制度が廃止され、「伊勢神宮」を除くすべての神社は同等に位置することとなったものの、一部の大社に対しては、「役職員進退に関する規程」において特別な扱いをすると定めたのだ。ちなみに、都内では明治神宮や日枝神社、東京大神宮などがこれに当てはまり、「年間2000万円以上の社入金があり、かつ職員を若干名以上採用することが最低条件」(十王舘禰宜)なのだという。

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