――サイゾー12月号の第二特集は「アイドルはなぜ大学に進学するのか?」。大学全入時代に突入し、タレント・アイドルたちの進学率もどんどん上がっている背景にはどんな事情があるのか、本誌で分析してきました。では、大学受験をひかえた高校生アイドルたちはどのように学校生活を送っているのか? アイドルたちの一番近くにいるマネージャーにお集まりいただき、アイドルの高校生活について語ってもらいました。恋に課題に大忙しのアイドルスクールライフをウェブ限定でお届けしちゃいます!
ジャニーズアイドルたちの高学歴化のきっかけになった櫻井翔。
A…大手芸能事務所マネージャー
B…大手芸能事務所マネージャー
C…中堅芸能事務所マネージャー
A 「アイドルの大学進学」が今回のテーマだそうだけど、最近はタレントが大学に行くケースは確かに増えてるよね。
B ジャニーズなんて、櫻井くん(嵐・櫻井翔)が”キャスター枠”を開拓したおかげか、タレントたちの大学進学を推し進めて、積極的にニュース番組や司会業に適応できる人材を育てている印象さえある。とはいえ、基本的には、事務所やマネージャーがあえて大学進学を勧めたり、逆に禁止したりってこともないですよね。
C 基本的には本人の意思次第だよね。まあマネージャーができることといえば、単位を落とさないように出席日数を確保したり、試験期間に仕事を入れないように交渉したりと、スケジュールを調整することぐらいだけど。
A 最近のタレントがこれだけ大学進学をできるのは、AO(アドミッション・オフィス)という推薦入試枠がだいぶ浸透したからでしょう? しかし「大学は行かないにせよ、高校中退はちょっと」みたいな風潮を考えれば、高校時代のマネージメントも同様に面倒なところはあるよね。
C 特にAOなどの推薦を取りたい場合は、なるべくきちんと通わせて単位を取らせて、試験期間に出席はもちろん点数を取れるように時間を確保しなければいけない。そうすると中間テスト、期末テスト期間は仕事を入れることができないから、正直「テストさえなければ、この仕事を取れたのに」って歯がゆい思いをすることもある。
A 試験時期に仕事が入りそうなときは、先方に「その日、試験なんです」って言うな、俺は。
B 言いますよね。さすがに「試験です」って言われたら、無理強いはされない。テスト期間中は午前中で試験が終わるから、午後からの仕事を入れられるし。ただ、「それなら今回はいいです」ってキャスティングの段階で言われちゃうタレントも……。
A 高校を卒業させるためだけだったら、足りない単位をもらえるように、補修クラスに行かせる、レポートを何枚書かせる、みたいなこともするよね。
C こちらが、そうやってなんとか卒業させようと奔走しても、売れっ子で学校に行けないぐらい、仕事が忙しい子の中には、登校させようとスケジュールを空けた日を、学校に行かず勝手に休日にしちゃう子もいますけどね。
B あるあるですね。こっちもプロだから、単位を取れるぐらいのスケジュールにはしてるのに、タレントが寝坊したり、勝手に休日をねん出したりしてしまう。それで学校の先生から連絡が来て「どうなってるんだ」みたいな。
C 一方で、意識が高くてどんなに忙しくても学校はきちんと行くマジメな子もいるしね。
タレントの扱いはプロフェッショナル!アイドルを支える堀越高校・日出高校
B 東京でタレントが通う学校高校といえば、堀越高校と日出高校が一般的だけど、両校共に芸能科が設けられているだけあって、芸能科の学校や先生たちも、タレントの扱いに慣れていますよ。
A そうそう。先生となんて、親より密に連絡を取ってて、まるでタレントの保護者状態(苦笑)。携帯の電話番号をマネージャーと交換する先生、タレントに手紙を渡してくる先生とさまざまだけど、皆さん勝手知ったるという感じ。
B スケジュールを組むのに、事前に年間行事表をくれたりするからありがたいですよね。
C ただ、芸能科とはいえ、世間のイメージより意外と厳しくないですか?
B 確かに。行ける日に行ってちょっと授業に出ればいいみたいなイメージがあるかもしれないけど、授業はきちんと出ないとダメだし、課題も少なくはないしね。
A あと、堀越や日出で面倒なのは、出席率という形で仕事量の落差がタレントたち本人に見えちゃうことかも。芸能科というだけあって、周りも芸能人だらけですからね。仕事が多くて出席率が低い子がいる一方で、皆勤賞が取れそうな子もいたりするわけで(笑)。