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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第84回

名門大学で起こる人種差別論争を笑い飛ばせ

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『ディア・ホワイト・ピープル』

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東部の名門ウィンチェスター大学は、「人種差別など存在しない」と主張する。しかし、ヒロイン・サマンサはそれに疑問を呈し、人種問題の論争を起こす。白人学生と黒人学生の対立は徐々に激化していくが……。各々にコンプレックスを抱く、個性豊かなキャラクターたちが、人種差別をめぐって繰り広げる青春コメディ。
監督:ジャスティン・シミアン/出演:タイラー・ジェームズほか/日本公開未定。


「親愛なる白人生徒たちへ」サマンサ・ホワイト(テッサ・トンプソン)は大学の学生ラジオで呼びかける。「黒人の友だちが1人いるくらいで『私は人種差別主義者じゃない』なんて言わないで。今は2人以上いないとね」

『ディア・ホワイト・ピープル』は、アフリカ系のジャスティン・シミアン監督の長編デビュー作。東部の名門ウィンチェスター大学(架空)の学生たちの人種問題を描くコメディ、というかサタイア(皮肉な劇)だ。

「もう人種差別なんてものはない」ウィンチェスター大学の総長(白人)は、副総長(黒人)に向かって断言する。「残ってるとしても、せいぜいメキシコ系差別だけだ」。

 最近も人種差別についての映画は作られてはいる。『それでも夜は明ける』は南部の奴隷制度を、『大統領の執事の涙』は 60年代の公民権運動を描いていた。しかし、ポスト・オバマ、つまりアフリカ系が大統領になった今、差別は本当になくなったのか? 特に、知的で裕福なエリートたちの間では?

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