──年齢不詳、職業不明、痛風持ち……老獪タカスが、自らの五臓六腑をすする気合で過激に告白&提言
近年、親しくさせていただいている齋藤会長。ロック座経営は息子さんに承継していくようだが、まだまだ現役。私と組んで、ネットに侵食された日本のエロ業界を立て直す気満々だ。
10月、「浅草ロック座の運営会社、齋藤観光が破産した」という報道が流れた。実際には、今年8月まで運営の一部に携わっていた会社が倒産したというだけであり、現在は関連会社の東興業が通常通り営業している。しかし、齋藤観光と、今年88歳になるロック座の齋藤智恵子会長を結びつけ、「ロック座が潰れた」と誤解を招く報道が多かった。正確に報じたのは、私の見た限りでは東京新聞と報知新聞だけ。 ロック座が潰れたかのような報道が流れた背景には、ストリップをいかがわしいものと決めつけ、排除する動きがあるのではないか。ネットで手軽にエロ動画が見られる今、商売が厳しい状況にあるのは火を見るよりも明らか。そこへ追い打ちをかける悪意、”エロヘイトスピーチ”があるように思えてならない。
ロック座だけではない。例えば歌舞伎町。人がまばらで悲惨な状態だ。池袋西口公園は「危ない」という悪評が立ち、潰されそう。吉原も、少し傾いた風俗店は、「水道料の未払いがある」という理由で倒産させたり、設備の修繕を許可しなかったり、壊滅状態になっている。排除、浄化を目指そうという強い力を感じる。
今回のエロヘイトスピーチに対し、なぜロック座は抗議の声を上げなかったか。それは、広告塔である齋藤会長が腰を痛め、今年の春には乳がんの手術を受けたため、長野県で療養中だからだろう。すでに回復して元気ではあるが車いす生活を余儀なくされている。その弱みにつけ込まれたか。
ロック座の土地は浅草寺が持っている。浅草寺も警視庁のお達しに従い、怪しげなものを排除するようになった。境内で行われる羽子板市は”反社会的”と思われる柄は消え、小ぎれいな羽子板だけが置かれるようになった。香具師の露天にも規制が入った。夜になるとガラガラ。浅草に3軒あった映画館も、ピンク映画館2館も、2年前に一気になくなった。浅草が自ら浄化する状況にある。フランス座は東洋館に名を変え、ストリップをやめた。最後に残った砦がロック座だ。