――「防衛装備移転三原則」によって実際に恩恵を受けるのは、果たして……? ここでは、今後の防衛産業で注目すべき6企業をピックアップした。
■業界最大手の重鎮
【1】三菱重工業
[会社データ]1917年設立。戦闘機、潜水艦からミサイルまで主要武器を一手に開発・生産する防衛産業最大手。今年中に「平成のゼロ戦」初飛行を目指す。
[輸出期待武器]潜水艦「そうりゅう」型
[販売価格]約640億円/隻
オーストラリアへの売却交渉が進んでいる最新鋭潜水艦「そうりゅう」型を製造。X舵装備で水中運動性能が向上し、原子力潜水艦並みの行動力を誇るAIP(非大気依存推進)機関を搭載した。日米豪の共同開発が実現すれば、日本で唯一潜水艦を建造できる三菱重工と川崎重工の神戸造船所で建造される予定だ。
■新型哨戒機で勝負
【2】川崎重工業
[会社データ]1896年設立。哨戒機、潜水艦から偵察用オートバイまで開発・生産する防衛産業の2番手。防衛産業への依存度は三菱重工とトップ争いを続けている。
[輸出期待武器]哨戒機「P-1」
[販売価格]約190億円/機
海上自衛隊の哨戒機(潜水艦や艦船を探知・攻撃する航空機)「P-3C」の後継機として、開発・生産されたのが哨戒機「P-1」だ。西側で哨戒機を生産できるのは、「P-8」を有する米ボーイング社と川崎重工のみ。国産哨戒機開発を田中角栄首相の決定で断念した1970年代の悔し涙をバネに、「P-8」との一騎打ちに臨む。