――ここまではバイラルメディアの興亡やニュースアプリの現状について見てきたが、実際のアプリ制作者とアプリ販売のプラットフォームを持つアップルやグーグルの間には、どのようなやり取りがなされているのだろうか? しばしば問題視される“エロ”アプリを例に取り、「安眠ひざまくら」制作者である鈴屋二代目氏に聞いた。
グーグルプレイで公開されている『安眠ひざまくら(彩)~就寝5分前の戯れタイム~里見晴菜ver』。11月7日現在、合計844件のレビューはなんと4.1の高評価!
エロ系のアプリはアップルが運営するiTunes Storeでは全面禁止だが、グーグルが運営するグーグルプレイ(アンドロイド向けのアプリストア)では野放し状態だ。――もし、あなたがそんな認識を持っているとしたら、それは間違いだ。
「今年の4月頃からグーグルの審査基準が一気に厳格化され、有名エロアプリの大半が姿を消しました。累計100万ダウンロードを誇った『おっぱいソムリエ』や、女のコの衣装を擦ると衣装が透ける『コスコス』のほか、AV女優の写真集アプリなどもすべてリジェクト(審査落ち)の対象となりました」
こう語るのは大人のための癒やし系アプリ「安眠ひざまくら」シリーズのクリエイターとして知られる鈴屋二代目氏。
「今ではグーグルプレイでエロやおっぱいなどの用語で検索しても、ヒットするアプリはほぼ皆無。これはグーグルがアプリのタイトルや説明文を監視し、エロを連想させるキーワードがあると即座に削除するようになったからです」
鈴屋氏によると「今やアップルもグーグルも、エロに関しての厳しさは変わらない」とのこと。
「グーグルの場合、リジェクトアプリを3回出すと、そのリリース元のアカウント自体が凍結されるなど、むしろアップルよりも厳罰化が進んでおり、エロアプリ開発業者の大半は廃業に追い込まれました」