【丸屋九兵衛氏推薦】
■『サウスパーク』もコケにするエミネム原案の短編アニメ
丸屋九兵衛氏が過激な作品として推す海外アニメは『ザ・スリム・シェイディ・ショウ』。ラッパーのエミネムが原案で、彼自身が3役の声優を務めた短編アニメ集だ。
「1作品で1人の声優が複数の役をこなすことはアメリカのアニメではよくありますが、彼が3役をこなすことには理由がある。主人公のスリム・シェイディは、強くて喧嘩っ早くて弁も立つ、ラッパーとして成功した後の彼自身。一方でイジメられている地味な少年のマーシャルは、ラッパーになる前の彼なんです。もう一役のケン・カニフは、彼の曲の中にもたびたび登場する、変質者ぎみのゲイのおじさんですね」(丸屋氏)
ストーリーはスリム・シェイディを中心としたチームが各所で下品に暴れ回る内容で、作中には名前を少しだけもじった有名人も登場する。
「"プリスティーナ・ガギレラ"みたいな感じで、一瞬で誰だかわかるんですけどね(笑)。そして大半はスリム・シェイディのチームからひどい仕打ちを受ける。昔からゲイの噂があるベン・アフレックとマット・デイモンは、手をつないで出てきた上でボコられるし、ジャスティン・ティンバーレイクは車ごと川に落ちた後でピラニアに食べられて白骨化します。そして『サウスパーク』のキャラクターも、"サウスウエストパーク"という名前で登場し、ドラッグと偽ってバイアグラを渡された上でボコられています」(同)
そのほかレオナルド・ディカプリオやラッパーのメイスなど、有名人に似たキャラが次々と登場しては次々とボコられるが、例外的に軽い扱いを受けるのがジョージ・マイケル。彼はハッテン場の公衆トイレでのわいせつ行為で逮捕された経験があり、このアニメでもその過去をネタにされているが……。
「彼はトイレで局部を出してマーシャルに迫るんですが、ただ逃げられるだけで、ボコられもせずに終わるんです。エミネムも、彼には『自分の理解を超えている……』という畏敬の念を持っていたのかもしれません(笑)」(同)