サイゾーpremium  > 連載  > 小原真史の「写真時評 ~モンタージュ 過去×現在~」  > 写真時評~モンタージュ 現在×過去~【30】
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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

故郷と東京のはざまで

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つがる市木造/1958年/個人蔵/©Hiroko Kojima
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西津軽郡深浦町北金ヶ沢/1957〜58年頃/個人蔵/©Hiroko Kojima

 青森に小島一郎という孤高の写真家がいた。青森市で写真材料店を営む家に生まれ、県内でアマチュア写真家として知られていた父親・平八郎の影響もあって、幼い頃からカメラに親しんできたサラブレッドだった。小島は津軽や下北の厳しい自然とそこに生きる人々の姿をフィルムに収め、若くしてカメラ雑誌などにもたびたび取り上げられた。報道写真の先駆者・名取洋之助に認められて東京で個展「津軽」(1958年)を開催するなど、将来を期待されていたが、39歳の若さで帰らぬ人となった。

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