――ここまで触れてきたように、女性向けアダルト産業の拡大と、それを取り上げるメディアの増加によって盛り上がってきている女性向けエロ業界。同時に、その制作サイドにも女性の進出が進んでいる。彼女たちが見つめる業界の未来とは?
フェチフェスにオリジナルグッズを出店し、噛みつき体験を提供していた「ぶるたんぐ」のメンバー。
受け手ばかりではなく、作り手にも女性が増えているのが現在のアダルトコンテンツ業界だ。
AVの制作現場においても、女性監督の活躍が目覚ましい。真咲南朋監督もそのひとりだろう。レズモノ、痴女モノなどを中心に毎月数多くの作品を撮っている。真咲監督は、もともとはAV女優としてこの業界に入り、痴女役に定評のある実力派女優として人気があった。
「そもそも私はAVの制作がやりたくて、スタッフを募集している会社に応募したんですけど、女優にされちゃったんです。だから、事あるごとに『制作をやりたい』って言ってたら、『じゃあ1本撮るか』って話になって」
最初は女優と並行して制作活動を行っていたが、結婚を機に、監督専業となったという。
「私はレズモノでも、嫉妬などの女の子の気持ちの揺れ動きを描きたいんですけど、メーカーからは『そういうのはいらないから』って言われてしまうことが多くて、がっかりすることがありますね」
現在彼女が制作をしているAVは、あくまでも男性がユーザー。性の意識における男女の違いは、意外なまでに大きい。