サイゾーpremium  > ニュース  > 芸能  > “映画事業”で危惧される【元松竹大物プロデューサー】の不甲斐なさ

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『サンブンノイチ』公式HPより。

 吉本興業が中心になり、9月に開催させる予定の「京都国際映画祭」を目前に控えて、吉本映画の“期待の星”とされていた品川ヒロシが監督を務めた映画『サンブンノイチ』が大コケした。

 京都国際映画祭とは、京都で2年前まで開催されていた「京都映画祭」の後継企画で、吉本を中心に復活。今年の9月に「京都国際映画祭」と改称して、第1回が開催される予定だ。毎年3月に開催されている「沖縄国際映画祭」は例年10日間開催されていたが、今年からは京都国際映画祭の費用を分担するために、5日間開催に短縮。それだけ、吉本が京都国際映画祭に力を入れているかが窺える。今の段階では全容は明らかにされていないが、京都の場合、沖縄より人件費がかかるために、社員の中には経営悪化に拍車がかかるのではと危惧する者もいる。

 筆者はそれ以上に、京都国際映画祭の仕掛け人が映画プロデューサーの奥山和由氏と聞いて、なおさら懸念を抱いている。奥山氏は大学卒業後、松竹に入社。父親は松竹の奥山融社長だったことから“奥山ジュニア”と持て囃されて、女優や映画を私物化した上に、自身がプロデュースを担当した北野武監督の世界から絶賛された映画『ソナチネ』を、私的な恨みから月刊誌で酷評して映画界から笑い者になった。

 その後、奥山氏は父親の奥山融社長と共に松竹上層部のクーデターにより、同社を追放された。松竹を追われた奥山氏はスポンサーを見つけて、映画製作会社を設立、何本か制作したがヒット作は1本もなかった。そうこうして映画界から忘れられた頃、吉本の映画製作センターエグゼクティブディレクターおよび2年前から沖縄国際映画祭のエグゼクティブプロデューサーに就任していたことが明らかになった。

 奥山氏は自らも吉本の資金で映画を制作しながら、松本人志監督の映画のプロデューサーを務めたが、松本の映画がマニアックすぎて、1本もヒットしていない。昨年、鳴り物入りで公開された『R100』も大コケで大赤字だった。奥山氏のプロデュース能力に疑問を待たざるを得ない。

 そんな吉本の経営の足を引っ張りかねない松本の映画の赤字を補填してきたのが品川の作品だったといわれている。品川が初メガホンを執った映画『ドロップ』の興行配収は19億5000万円。次いで、公開された『漫才ギャング』も7億3000万円という数字を弾き出した。品川の作品は製作費が低いために利益率が高い。それだけに松本に代わる吉本映画の期待の星といわれていた。ところが、今年の4月に公開された『サンブンノイチ』は、興行配収は2億7000万円。映画祭に力を入れる吉本しては、ヒット作を何本も作って、映画業界における存在感を増したかっただけに、松本に次いで、品川もコケたとなると、今後の見通しは暗い。京都国際映画祭の先が思いやられそうだ。

(文=本多 圭)


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