サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 玉石混淆【陰謀論】その真実と虚構のボーダーライン
第1特集
"陰謀論"を検証する10冊

いかにして"陰謀"は作られるのか? 玉石混淆”陰謀論”その真実と虚構のボーダーライン

+お気に入りに追加

――陰謀論という、なにやら怪しい特集に入る前に、ここでは陰謀論の検証を試みた本や、そもそも陰謀論が生まれたバックボーンなどを解説した本を紹介してみよう――。

1406_book_01.jpg

陰謀論の根底に肉薄する入門書
【1】『世界の陰謀論を読み解く ユダヤ・フリーメースン・イルミナティ』
辻隆太朗/講談社現代新書(12年)/780円+税
ユダヤからフリーメーソン、さらには東日本大震災まで、歴史上の大事件の陰にある“陰謀”を論理的に解説した1冊。そもそも陰謀論とは何か? また、なぜ我々は陰謀論を求めるのか? という根本問題に言及している。

肯定、否定を信じるかはあなた次第
【2】『陰謀論とは何か 権力者共同謀議のすべて』
副島隆彦/幻冬舎新書(12年)/740円+税
陰謀論にまつわる多数の作品を持つ著者が、世界で語られているさまざまな陰謀論の真贋を解き明かす。「ユダヤ陰謀論は当然あり」「ロックフェラー、ロスチャイルドほか財閥陰謀論は肯定」「冷戦やらせ説は支持」など、個別の陰謀論への真贋鑑定は、やはり興味をそそられる。

1406_book_02.jpg

米軍裏面史と世界最大の秘密基地
【3】『エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実』
アニー・ジェイコブセン:著、田口俊樹:訳/太田出版(12年)/2400円+税
核実験や秘密裏に行われた人体実験の風説など、アメリカ政府がいまだその存在を認めていない“世界でもっとも有名”な秘密基地の真実に肉薄。内容もさることながら、巻末に収録された取材関係者の実名と経歴、そして本文中、“日本でもっとも有名”なオカルト雑誌「ムー」(学研)への言及も特筆に値する。

アメリカ政府の矛盾をついた9.11の真実
【4】『9・11の矛盾 9・11委員会報告書が黙殺した重大な事実』
デヴィッド・レイ・グリフィン:著、加藤しをり、きくちゆみ:訳/緑風出版(10年)/3400円+税
9・11の疑惑について書かれた本は多数あるが「このテーマで1冊だけ選ぶのなら私は本書を選ぶ」(「訳者あとがき」より)というほど、報道記事や公式文書などを綿密に調べ抜く。「米軍に関する疑問」「WTC倒壊に関する疑問」など大まかに5つの疑問を章ごとに提示し、その矛盾を突き詰めていく。

キリストは本当に結婚していたのか?
【5】『レンヌ=ル=シャトーの謎 イエスの血脈と聖杯伝説』
マイケル・ベイジェント、リチャード・リー、ヘンリー・リンカーン:著、林和彦:訳/柏書房(97年)/4800円+税
キリスト教にまつわる秘密結社や、それら組織におけるさまざまな謎を検証。特に物議をかもしたのは、イエス・キリストの結婚について。当時のユダヤの慣習では、結婚するのは当然であるだけでなく、絶対そうすべきであったという歴史的検証から、イエスは結婚しており、その子どもは後世へと血筋を残したという本著の主張が聖職界の猛反発を受けた。

pre class="right">1406_book_03.jpg

世界史に暗躍した秘密結社
【6】『秘密結社版 世界の歴史』
ジョナサン・ブラック:著、松田和也:訳/早川書房(09年)/3600円+税
天地創造から始まる、これまで伝えられてきた世界の歴史にまつわる言い伝えを、さまざまな角度から検証。人々が世界をどのように想像し、イメージしてきたかを明らかにする。いわば、裏から見た世界史の総決算。著者はオクスフォード大学で神学と哲学を学び、出版社に勤務し、宗教学関連の書籍出版や古書渉猟の体験を元に同書を上梓。

膨大な資料に隠された一族の系譜
【7】『赤い楯 ロスチャイルドの謎 上』
広瀬隆/集英社(91年)/2718円+税
ユダヤの金融を結集したロスチャイルドは、いかにして世界を変えていったのか? 膨大な資料から、著者独自の視点により、歴史の裏に隠された名門一家の謎に迫る。随所に差し込まれた85点の大家系図や画像など、豊富な資料をわかりやすく見せてくれる。現在は文庫版が発売中。

1406_book_04.jpg

世界屈指の名門一家当主による回顧
【8】『ロックフェラー回顧録』
デイヴィッド・ロックフェラー:著、楡井浩一:訳/新潮社(07年)/2600円+税
帯には「“米国最強”の一族 その全てが初めてここに明かされる」とある通り、石油王として巨額の富を築いた名門一族のトップが、世界各国の元首との出会いや歴史的な場面への関わりなどを回想する。巻頭に収められた要人との写真も見どころ。

アメリカが作り上げた日本の戦後
【9】『戦後史の正体 1945-2012』
孫崎享/創元社(12年)/1500円+税
元外務省の国際情報局長による米国外圧への言及。戦後70年を経た現在、長らくタブー視されてきたアメリカ支配とはいかなるものなのか? 日本の戦後史はアメリカからの圧力を前提に考えなければその本質は見えてこないという著者の意見には、なるほどと思わされる。巻末に収められた「ポツダム宣言」「降伏文書」の口語訳(文責編集部)、日本国首相、外務大臣、外務次官、米国大統領、米国国務長官と併記した「年表」は要チェック。

古典名著に描かれた世界の未来
【10】『[決定版]2001年宇宙の旅 』
アーサー・C・クラーク:著、伊藤典夫:訳/ハヤカワ文庫(93年)/800円+税
もはや説明不要のSF映画の歴史を変えた名作であるスタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』の製作と同時進行で描かれた、SF作家の大家による小説版。難解だった映画よりも説明が明確化され、わかりやすいものになっている。決定版ではクラークによる新版序文が新たに加えられている。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2024年11月号

サヨクおじさんが物申す 腐敗大国ニッポンの最新論点

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ