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丸屋九兵衛の音楽時事備忘録「ファンキー・ホモ・サピエンス」【10】

百獣王を題材に読み解くオタク×黒人という必然 

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人類のナゾは音楽で見えてくる! ブラックミュージック専門サイト「bmr」編集長・丸屋九兵衛が”地・血・痴”でこの世を解きほぐす。

『GIRL』ファレル・ウィリアムス

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(発売元:SMJ)
ダフト・パンク「Get Lucky」は、まさに転換点だった。このコラボレーションでのファレルの冴えっぷりに感銘を受けたレコード会社の大物が、彼を口説いたのだとか。こうして生まれたのが、ファレルにとって8年ぶりのソロ名義アルバム(日本盤は4月30日発売予定)。70年代調の先行シングル「Happy」は、すでに大ヒットとなっている。


 ハワイではキカイダーが地元のヒーローとして愛されている。フランスでは、『UFOロボグレンダイザー』が人気を集めるあまり、原作者の永井豪に同国の勲章が授与されたという。

 失礼ながら、各ジャンルの「ワン・オブ・ゼム」的作品――前者は実写・等身大ヒーローもの、後者は巨大ロボットアニメ――とも見えるものが海外で人気を得ているのを知ると、我々日本人は首をひねることになる。

 そんな「ビッグ・アウトサイド・ジャパン」のひとつに、『百獣王ゴライオン』という80年代のロボットアニメがある。5対のライオン型ロボがドッキングして1体のヒト型ロボに、という変形合体が売りの作品だ。これがアメリカでは『Voltron』というタイトルで放映され、ウケた。メチャメチャウケた。特に黒人に。

 いま、『百獣王ゴライオン』の実写映画化にかかわっているんだ……と自慢げに語ったのが、誰あろう、ファレル・ウィリアムスである。もっとも、それは06年のコメントであり、この米製作映画は「企画地獄」に陥った結果、8年後の現在も銀幕にたどり着いていないのだが。

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