――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!
『IQUEEN VOL.3 広末涼子』(パルコ)
「女性セブン」が報じた広末涼子と佐藤健の不倫現場はインパクトがあった。
芸能ニュースとしては久々の大スクープだろう。独身同士ならともかく、広末はすでにバツイチの人妻であり、2人の子どもを持つ母親である。生半可な現場を捕らえて「不倫」という訳にはいかない。決定的な現場写真が必要だ。
「1カ月近く取材を重ね張り込んでいた」という話も伝わってきているだけのことはある。広末が佐藤のマンションを深夜に訪ね、朝方になって帰るまでを克明に報じている。著者の経験からしても現場で大切なのは、服装から表情、そして時間の経過。今回のセブンは完璧。お見事!
広末のスクープの影で小さな扱いになっていたが、"よゐこ"の濱口優と南明奈もセブンのスクープ。こちらも焼肉デートから濱口の自宅に南がお泊りになる様子を緻密に取材していた。
ここで苦言を呈するが、濱口と南の件はセブンの発売前にスポーツ紙があたかも自社のスクープのように報じていたのはいかがなものか。あいかわらず「人の褌で相撲を取る」姿勢は変わらない。張り込みや現場で苦労して記事にした女性誌の記者をバカにしているかのようだ。
最近増え始めている週刊誌の発売前に事務所なりからリークを受けた話を、自らのスクープとして報じるスポーツ紙には違和感を覚える。他社のスクープには独自のスクープで対抗するべきだろう。昔のスポーツ紙の記者もそうしていた。
話を広末に戻す。双方とも男女の関係を否定していたが、どう否定してもそれを信ずる者はほとんどいない。子どもと一緒の時はママらして服装の広末が、佐藤の家を訪ねた服装はヒールの靴にセクシーな網タイツと、女を意識した服装に変身。友達の家に遊びに行くレベルではない。
広末が芸能界デビューしたのは14歳。当時、ドコモのCMで人気を博し、高知から都内の高校に転校。その頃巷では、「生写真」なるものが流行っていた。"カメラ小僧"と呼ばれるにわかカメラマンの若年層たちが人気アイドルの私生活を追いかけ、写真に収め、その写真を高く買い取るという業者も出現。原宿などで生写真として売っていた。
「元々は"おニャン子クラブ"のメンバーを撮影した生写真がきっかけと言われています。彼女たちの私服姿の写真は爆発的に人気があった。番組を収録していたフジテレビのスタジオ前には、カメラ小僧が群れをなして待ち受けていましたよ。後にその流れは、ジャニーズやアイドルの子に移行、特に彼らが通う学校の制服姿が特出した人気があった」(元カメラ小僧)
広末もターゲットになったが、「もし広末のパンチラ写真だったら100万円の出す」という話が広まり、カメラ小僧たちは趣味と実益を兼ね広末を狙った。
「広末の通っていた女子高の制服はスカートが短い。ちょうど学校の近くに歩道橋があり、生徒は必ずそこを通る。シャッターチャンスは歩道橋でした。下から狙えばパンチラは撮れるが、後ろ姿では広末だという証拠はない。広末の横顔を入れたパンチラが必要。"広末さーん"と呼んで振り返えさせてパンチラと同時に狙いましたが、ことごとく失敗でした(笑)」(前出)
清純派であるからこそパンチラに価値があったのだろうが、本格的に女優活動に入ると、清純派の化けの皮は剥がれ肉食女子の顔を出す。伊勢谷友介、金子賢、永井大ならと浮名を流した。一時は男と酒に溺れるがごとく、夜な夜な西麻布界隈のクラブ―と呼ばれる店で飲み騒ぎ、朝方ベロベロになっている姿を写真誌が撮ったこともあった。
結果、当時モデルだった男とデキ婚。5年後に離婚。2年後に現在の夫であるキャンドル・ジュン氏と再婚している。二度の結婚に2人の子供の母親。そして不倫とありとあらゆる体験を33歳にしてしまった広末。今後が気になるところだが……。
「オトコの好みとして共通しているのは、精悍なイケメンタイプが好き。今回の佐藤も広末のど真ん中。好きになるのも無理ないと思います。夫が嫌いなったというのではなく、被災地で仕事をしている夫と別居中と聞きますから、仕事と育児のストレスからの解消と癒しを九才年下の佐藤に求めたのだと思います。広末らしい行動だとは思いますが、世間は人妻の不倫は許さないかもしれませんね。でも、CMはダメになっても女優として新たな新境地を開拓するきっかけになるかもしれません」(芸能関係者)
不倫疑惑が何度となく報じられてもビクともしなかったのが松田聖子。不倫で将来を不安視されているのが矢口真理。果たして、広末はどっちなのだろうか?
ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演