――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!
恒例行事とはいえ、ここまでやると「もう、うんざり」が本音だろう。
浜崎あゆみ「Feel the love / Merry-go-round (CD+DVD)」(avex trax)
浜崎あゆみがまた新しい恋人の存在を自ら仕掛けた。今度の相手は白人男性。年下の医学生で「坊主頭のイケメン」と報じられているが、相手の素性よりも「今度はいつまで続くの」というのが世間の感想だろう。
「会員制のブログで恋人の存在を明らかにし、数日後に成田空港に帰国したところをマスコミに写真を撮らせる。最初の結婚相手だったマニュエル・シュワルツも、パリでのデートが報じられたバックダンサーの内山磨呂も同じパターンで、すべて浜崎サイドから帰国情報を流しています。要は、"恋人と一緒に帰帰国するので、写真を撮って大きく報道してほしい"ということでしょう。無名タレントの売名行為と変わらないと揶揄されています」(ワイドショースタッフ)
その意図も単純明解。報じられた直後に新曲のリリースやコンサートなどイベントが待っており、いわば宣伝活動の一環。今回も新曲のリリースに『紅白』、コンサートと盛り上げる必要がある。さらに別な意図もある。
「私生活で騒がれる現場は常に成田。以前、左耳が難聴になったときでさえも成田でした。もっとも、その時は歩く歩道でインタビューを受けた際、あまり聞こえないはずの左耳のほうに質問をぶつけると、『大丈夫です』と答え、失笑を買っていました。彼女は常に海外に滞在しており、そこから仕事のたび、帰国することをステータスとしている。さらに彼氏にも、『私は日本では大スターなのよ』とアピールする場にしているのだと思います。ですから、成田では大勢のマスコミがいなければならないのです」(女性誌記者)
TOKIOの長瀬智也と付き合っていた時は、マスコミも必死に追ったのが懐かしい。当時、人気絶頂同士のビッグカップルとして注目され、7年近い交際期間があっただけに結婚説まで流れた。長瀬との破局後は次第に浜崎の"男の格"が下がり、次第に追うメディアも減少。追いかけるより浜崎からの提供を待つだけに変わっていた。外人に無名ダンサーと小さくなる一方で収入格差は歴然だ(今回も浜崎が飛行機代から滞在費まですべて払うのだろう)。
同じスキャンダル女王として名を馳せた松田聖子とは似ていて非なるものになっている。聖子も郷ひろみとの熱愛がスターダムへのスタートだった。松田と浜崎、スタートラインの熱愛相手はともにトップアイドルと一緒だが、松田の最初の結婚相手は神田正輝。同じ役者でも格段の差。以後、聖子は歯科医に大学病院勤務の医師と2人の再婚相手は医者というエリート。仕事で男を判断するわけではないが、女優や歌手は「好きになったからだけで結婚相手は決められない」と芸能関係者はこう解説する。
「歌や芝居の実力は大事ですが、生き方もイメージとして大切。とりわけ恋愛も大事なポイント。どんな相手かにファンは関心を持つ。それも見た目よりも肩書や収入などが大きい。聖子は何回、結婚しようと"さすが聖子"と思われる相手を見つけてくる。浜崎は"なんでこんな男と"とがっかりさせる相手が多い。それがそのまま歌手としての魅力にもつながっている」
事実、「スキャンダルを肥やしにする聖子は人気に衰えはない。逆に浜崎は明らかに昔のような勢いはない。かつてスキャンダルに追われていた歌手からこんな話を聞いた。
「マスコミに追われている時は、"ハイエナみたいな連中"と思っていて、報道されるたびにうんざりしていた。それが売れなくなると、世間から忘れられることが不安になる。スキャンダルでもいいからメディアに取り上げられたくなるのが芸能人心理。スキャンダルをも取り上げられなくなったら芸能人としての価値がなくなったことだと思う」
確かに、メディアに取り上げられてナンボが芸能人の価値。自ら仕掛けたとはいえ、浜崎の男関係は常に大きく取り上げられる。まだ捨てたものではないだろうが、2次、3次報道はない。熱愛報道が長瀬の時と違い一過性に終わっている。次は年末の仕事が終わり、ロスに帰る成田が二人の舞台になるのは必定。スポーツ紙記者が嘆く。
「マニュエルの時は元旦にロスに旅立つため成田に現れた。今回もその可能性があるだけに、今回も元旦の可能性がある。元旦は新聞休刊日で、翌二日から新年初の紙面。ネタもないだけにあゆと彼の成田ツーショット写真が大きくなる。きっとそこまで計算しているのだろうと思います。あゆのために成田まで元旦から行くのは"もう、うんざり"なのがマスコミの本音ですよ」
今や浜崎のスキャンダルは価値が薄れ、世間には失笑を買い、マスコミには不評のものになっている。
ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演