――SNSの普及やメディアミックスが盛んに行われることで、マンガ家の知名度もより一般で高まる昨今。彼らの"ご活躍"が知見を集めることもしばしば……。2013年はいったいどんなニュースが世間を騒がせたか、総ざらいしてみよう。
【1】ポスト佐藤秀峰は誰?
暴言マンガ家に暴力編集 マンガ業界困った人々
出版社や映画化の際に配給会社ともめるなど、今や、お騒がせマンガ家として名高い佐藤秀峰氏。そんな彼に続け(?)とばかりに、今年もいろんな業界人が世間を騒がせていたが……。
2013年もマンガ業界では、さまざまな事件が起こって世間を騒がせた。記憶に新しいのが、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の編集長がタクシー代を踏み倒し、強盗容疑で逮捕された事件。毎日新聞の報道(10月16日)によると、料金710円の支払いを求めてきた運転手に、「ぶっ殺すぞ」と暴言を浴びせて腕をひねったのだという。当人は、一時は「集英社を退社した」という情報も駆けめぐったが、現状では10月29日付で部長付に降格までが発表されている。
「マンガ業界はいまだに縦社会意識が強く、少なくなったものの、パワハラに美学を感じるイケイケの編集者が多い世界。雑誌の低迷でストレスが溜まっている人が多いので、業界では『あの人も他人ごとではない』と囁かれてる人が多い」(某社編集者)との声も聞かれた。
また、少年に手ブラをさせたことが児童ポルノ法違反に当たる可能性があると指摘されたAKB48・河西智美写真集の情報が掲載され、「週刊ヤングマガジン」(講談社、1月12日発売号)が販売停止になった問題も今年の重要トピックスだといえよう。人気絶頂の国民的アイドルグループが絡んだ事案だっただけに大きく報道され、講談社は対応に追われることになった。さらに、秋田書店の月刊マンガ雑誌「ミステリーボニータ」「プリンセス」「プリンセスGOLD」において景品の水増しが発覚し、一連の騒動に絡んで解雇した社員と同社が泥仕合を演じたことも、大きく報道された。
もちろん、作家側も相変わらず世間を賑わせている。『テルマエ・ロマエ』(KADOKAWA)の作者・ヤマザキマリ氏は出演したテレビ番組で「映画の興行収入は58億円だったが、原作使用料は約100万円だった」などと暴露。さらに、「月刊コミックビーム」10月号の付録『テルマエ・ロマエ』謹製手ぬぐいなどについて、自身のツイッターで「わたしはそんなものが出るなんて一切教えてもらえていなかったという衝撃。原作者は知らなくて良い事なのか」とツイート。その後、編集部が「事前に、ヤマザキ氏サイドへ企画内容の説明と制作物の監修をお願いしておりました」「ヤマザキ氏がツイートをなさった9月12日に、ヤマザキ氏のマネージャーと弁護士へ当編集部より事情説明を求める問い合わせをし、今後について協議を続けております」と反論する騒ぎに発展した。
マンガ界のお騒がせ人物として、やはりこの人は外せない。『ブラックジャックによろしく』を連載していた「モーニング」編集部や『海猿』の映画を配給したフジテレビとのトラブルを告白。「マンガ編集者が仕事をしたくないマンガ家No.1」(某誌編集者)である佐藤秀峰氏。今年は、7月に自らの不貞により、第三者の女性を妊娠させたことが離婚の一因になったのにもかかわらず、元妻に離婚についてインタビューした記事をネットに掲載し、ネット上では賛否が入り乱れていた。トラブル事案ではないにせよ、お騒がせ具合は今年も健在だったようだ。