――関東・東海・関西の三大地区に君臨する有名大学と、その大学が人事権(ジッツ)を持つ系列大学をまとめて眺めてみよう!
【関東地区】
『学閥支配の医学』(集英社新書)
〈東京大学系〉
■国公立大学病院/筑波大病院/千葉大病院/横浜市立大病院/富山大病院/金沢大病院など
■公立・公的病院/虎の門病院/東京厚生年金病院/日本赤十字社医療センターなど
■民間病院/NTT東日本関東病院/三井記念病院など
〈慶應大学系〉
■私立大学病院/北里大病院/杏林大病院/東海大病院など
■公立・公的病院/水戸赤十字病院/済生会宇都宮病院/さいたま市立病院/東京医療センター/立川病院/市立川崎病院/静岡赤十字病院など
関東は、東京大学と慶應大学の二強状態。旧帝大系の王者・東大は、都内の主要病院を押さえており、医師たちのエリート意識も高い。「若いうちは研究メインでしょ、臨床は5年ぐらいやっとけばいいんじゃね?」というノリだとか。ただし東大の医局にはさまざまな大学から医師が集まるため、他大出身者の実力は玉石混合だとも。
対して慶大は中小規模の大学にも多くのジッツを持っているが、慶応のイメージ通り医師同士のつながりは強固で、親も医者というボンボンも多いとか。一方研究面でも基礎研究のレベルの高さが評価されており、大学院だけ国内留学する医師もいるらしい。
【東海地区】
〈名古屋大学系〉
■国公立大学病院/浜松医科大病院/三重大病院など
■公立・公的病院/名古屋第一赤十字病院/名古屋医療センターなど
■民間病院/聖隷浜松病院/海南病院/トヨタ記念病院など
■私立大病院/藤田保健衛生大病院など
東海地方は、名古屋大学の一強。愛知県内のみならず、三重県や静岡県にもジッツを持っている。ただし旧帝大の中では設立が1933年と遅いため、それ以前に覇権を握っていた京都大学の影響力も強い。名大の教授職に京大出の医師が入るといったケースも。