――「ついに“55本タブー”が破られた裏で政界を巻き込むセ・パ覇権闘争が勃発!」では、フロントやNPB本体といった背広組にまつわる球界の暗部を取り上げたが、いわゆる現場、ユニフォーム組に関して“タブー”とされてきた事柄は多い。それらが今どのように取り扱われているのか、その現在形をまとめてみた。
『原点 勝ち続ける組織作り』(中央公論新社)
【1】長嶋ファミリーから原一族へ
■タブーな人物
長嶋茂雄ファミリーに関する報道がタブーとされてきたのは事実だが、現場の記者たちの間では「現場を離れて久しいミスターには、もはやそれほどバリューがない」というのが共通認識。代わって浮上しているのが、「週刊文春」誌上でもその放蕩ぶりが伝えられた原 辰徳監督の長男・嘉宏氏の存在だ。「六本木・西麻布界隈では有名人だから、関東連合がらみの事件が起きるたびに、球団側も事実確認&火消しに必死だった」とは関係者の談。
【2】球界もコンプライアンスが重要命題
■“黒い交際”タブー
立浪以外にも、「優勝監督にもなっている梨田(昌孝)さんにその後、声がかかっていないのも同じ理由」(週刊誌記者)といった証言もあるなど、“つながり”を敬遠されて監督候補から外されるOBたちは数多い。とはいえ、梨田氏のいた近鉄はもちろん、阪神や中日など本拠地をずっと変えていない球団の選手にとっては、その土地の“顔役”である暴力団との付き合いも、かつては仕事のうちだったはず。そう思うと、少々気の毒な気がしなくもない。