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第1特集
スポーツと在日タブーの歴史【2】

きっかけは格闘家・大山倍達? 在日スポーツ選手が出自を”隠す”まで

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――こちらの記事では、通名、本名といった話にも触れてきたが、しかし、スポーツ界には、“在日は本名を名乗ってはいけない”というような規約は当然存在しない。では、なぜ、選手自らが“隠す”ようになったのか? その起源をたどってみたい。

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『大山倍達正伝』(新潮社)

 現代日本で隆盛を極める打撃系格闘技界。その最大の功労者が誰であるかといえば、やはり大山倍達ということになるだろう。

 大山は言わずと知れた、国際空手道連盟極真会館の創始者である。世界120カ国、累計1200万人の門弟を擁した実績は、戦後日本で成功した在日韓国人の中でも圧巻モノと言える。

 ただ、その人生は長らく謎に包まれてきた。

 大山倍達の本名は崔 永宜(チェ・ヨンウィ)といい、1921年6月4日、全羅北道金堤郡の裕福な農家に生まれた。

 たったこれだけの事実ですら、2006年7月に『大山倍達正伝』(小島一志・塚本佳子著、新潮社)が刊行されるまでは、確たる根拠をもって書かれたことはなかった。

 小島と塚本は同書のための取材に5年近くの時間をかけているが、そうせざるを得なかったのは、大山の生前に作られた「伝説」──例えば、生粋の日本人として生まれ、幼少期を満州で過ごし、軍隊に入り特攻隊に志願した──の数々が、事実から大きくかい離したものだったからだ。

 そして、大山の「伝説」がそうなってしまった理由の一端は、若き日に身を投じていた民族運動の苛烈さにある。

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