宝塚オタクの日常を描いて人気を博しているマンガ『ZUCCA×ZUCA』5巻。
――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!
女の園とも言われる「宝塚歌劇団」。
1914年の発足より、今もその伝統は脈々と受け継がれ来年、百周年を迎える。歌舞伎に次ぐ日本の伝統芸能と言っても過言ではない。宝塚を卒業したトップスターは芸能界に輩出され、八千草薫、大地真央、黒木瞳、天海祐希、檀れいと、芸能界でもトップ女優として活躍を続けている。
現在、女優の出身を調べるとおおまかな分野に絞ることができる。米倉涼子や松嶋菜々子のようなモデル出身者。大竹しのぶ・宮崎あおいといった、子役から劇団やプロダクションで稽古を積んできた人たち。そして宝塚出身者が挙げられるだろう。
モデル出身者は、女優になる前から「セクシー」「きれい」などともてはやされ知名度はバツグン。演技力は後付けでも人気女優の座を獲得できる。ただ、息の長い女優となると疑問が生じる。人気が落ちた時には、主役の座がなくなることもある。
一方、劇団出身者は地道に女優としての訓練を続けているが、ヒット作品が出ないとなかなか人気は得られない。だが、演技力で主役に限られなければ息長く女優の座を保つことができる。舞台出身者に名脇役が多いのもうなづけるだろう。
その点、宝塚は女優業に転身後、いきなり主役を張れる即戦力となる。宝塚の学校で二年間の訓練を経て舞台に立ち、ようやく実力と人気を兼ね備える。宝塚から独立するときには実力だけでなく、人気も獲得していることで、芸能界に入っても宝塚時代からのファンが応援、後押しをしてくれる。特に宝塚の男役の人気は絶大である。きりっとした姿勢と端正な顔立ちは多くのファンを魅了している。以前は宝塚ファンは女性という印象が強かったが、近年、劇場では男性ファンも多く見受けられるようになったという。さらに最近は「ジャニーズファンの子も宝塚を見に来ている」と宝塚ファンはいう。