――一部のハリウッド・スターにも親しまれているマクロビだが、その食事法はアメリカでどう受け入れられ、そして”批判”されてきたのだろうか? マクロビが日本人によって持ち込まれた時代からたどってみよう。
マクロビの危険性を指摘したアメリカがん協会。
こちらの記事で述べたように、“逆輸入”される形でマクロビは2000年代に日本でブームとなったのであり、アメリカではマクロビを実践するセレブも多いわけだが、そもそも同国に桜沢如一がマクロビを持ち込んだのは50年代のこと。彼は「Zen Macrobiotic(禅マクロビ)」の名で普及を試みたという。しかしながら、現地の栄養学との矛盾が大きく、なかなか受け入れられなかった。そこで、桜沢の弟子である久司道夫が、肉や砂糖の代わりに魚や蜂蜜の摂取を許すなど、寛容性をもたせた改訂版を考案し、78年には普及機関「クシ・インスティテュート」を設立する。また同時期の77年、アメリカ政府は当時蔓延していた心臓病対策として、食と健康の関係をまとめた「マクガバンレポート」を発表した。そこに書かれた“疾患の原因は食生活にある”という指摘は国民に衝撃を与え、以降マクロビに取り組む人がじわじわと増えていった。