サイゾーpremium  > ニュース  > ビジネス  > 【ビジネス】「故宮博物院展」主催ゲットのため、新聞各社が台湾に媚び媚び!?
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いよいよ倒産する新聞社も出るか……!?

故宮博物院展で台湾に媚び媚び!?記者のみぞ知る最新"新聞社ビズ"

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[座談会参加者]
A…全国紙経済部記者
B…全国紙文化部記者
C…全国紙外信部記者
D…全国紙社会部デスク

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『台北故宮博物院』(平凡社)

A 最近の新聞社のビジネスというと、新聞社主催の展覧会「故宮博物院日本展」が話題になっているね。

B はい。台湾の故宮博物院は中国歴代王朝の秘宝60万点以上を集めた世界有数の博物館ですが、その所蔵品を初めて日本に持ってくるという触れ込みの展覧会です。東京国立博物館と九州国立博物館で来年開催することが決まっていますが、美術業界では「最後の大物展覧会」なんていわれていますよ。

C 毛沢東率いる共産党との内戦に敗れた中国国民党の蒋介石が1949年に台湾に逃げた際、もともとは北京の故宮にあった品々を一緒に持っていき、後に台湾に故宮博物院を作って展示しました。そういう歴史的な経緯があるから、もし日本で展覧会をやったら中国が「あれはうちのものだ」と主張して差し押さえ申請することも可能。なので開催機会がなかったんですが、日本の美術館が海外から借りた作品をほかの国に差し押さえられないようにする「海外美術品等公開促進法」が11年に成立したことでこの問題が解消され、ようやく開催にこぎ着けました。

D そもそもなんで新聞社が主催で展覧会をやっているわけ?

B 戦後、海外などの文化事情に詳しい新聞社が、「文化振興」の名目で展覧会を主催するようになったんですよ。その頃は、文化部なんかに美術界とつながりの深い大物記者もいましたしね。昔はキュレーターなんていなかったから、美術館も話題作を呼ぶには好都合ということで、新聞社主催展を利用するようになった。有名なのは1964年に朝日新聞主催で上野の国立西洋美術館で開かれた「ミロのビーナス展」。入場者数83万人を超して、社会現象になったほどです。

MEMO故宮博物院展
台湾・台北にある国立故宮博物院の日本展のこと。同院の所蔵物が初めて日本に持ち込まれるということで、新聞各社が主催の争奪戦を繰り広げた。2014年に開催予定。

D 当時の新聞社が1面を使って「ミロのビーナス来たる!」とか大々的に広告するんだから、客が入らないわけはなかっただろうしな。無料チケットを「話題の展覧会チケットを家族分プレゼント」なんて契約者に配る、新聞拡販の要素も大きかったんだろう。

A で、今回の「故宮博物院日本展」は久々の大型案件で満員大入りが期待できるから、新聞各社が血眼になって主催社の争奪戦をやったというわけだ。

C 台湾側もそのへんの事情は知り尽くしていて、日本の新聞各社を天秤にかけたようです。開催問題が本格化した昨年は全国紙各社が役員や編集幹部を台湾に送って、台湾側に「ぜひうちに主催権を」と訴えていました。昨年は台湾の総統選挙があるなど政治的に微妙なタイミングだったこともあって、台湾に批判的な報道をすると「おたくが難しい立場になることは、私としてもうれしくないのですが……」と政府関係者から声を掛けられることもあったと聞きます。

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