──ネット広告代理店の出現で、広告業界の構造にも変化が訪れてきている。生き馬の目を抜く業界の中で、どこが生き残り、どこが潰れていくのか? 業界関係者の話を元に、生きる会社・死ぬ会社の倍率を勝手に予想してみた。
※オッズは、業界関係者に調査のもと、本誌が独自に算出。数字が高いほど、死ぬ確率が高いことを示す。
(絵/河合 寛)
総合広告代理店
【1】デンツウ
予想◎/倍率1.2倍
株式会社電通、1906年設立。不動の絶対エース。売上総利益世界第5位。マスコミ4媒体とインターネット広告で絶大な力を誇る。ナショナルクライアントとの関係が密で、圧倒的な市場シェアであることから、寡占が問題視されるもお構いなし。近年はグローバル体制を強化し、超大型買収の手続きを次々と進行中。東北復興イベントにも尽力。自社最大の関心事は2020年オリンピックの東京招致。今後100年敵なしか。
【2】ハクホウドウ
予想○/倍率3.5倍
博報堂DYホールディングス、(核となる博報堂は)1924年設立。国内2位、単体で世界第7位。大広、読売広告社と経営統合し、1兆円グループに成長。新社屋を建設し多額の債務を負っている電通に対し、無借金経営でも知られる。佐藤可士和や佐野研二郎など、多くのクリエイターを輩出し、クリエイティブ力に定評。博報堂大学を開校するなど、人材育成にも積極的。アジア進出にも意欲があり、盤石の経営。
【3】シントウツウシン
予想▲/倍率75倍
新東通信、72年設立。愛知県名古屋市と東京都内に本社を置く、中堅広告代理店。非上場。創業以来「おもしろ集団」を企業理念として掲げる。不動産広告、ギャンブル(ボートレース)に強みがあるも、社名検索すると「新東通信」の次に「ブラック」と表示される、いわくつきの企業でもある。入社5年未満の社員がプロジェクトリーダーに抜擢されるのは、層の薄さゆえか。