ブロガー・イケダハヤト氏の『年収150万円で僕らは自由に生きていく』と、彼を真っ向から批判する常見陽平氏の『「意識高い系」という病』。どちらがお好み?
構成年齢が上がり続ける、総合誌などを陣地にした論壇に比べ、比較的若い 論者 たちが集まる新しい場所──それがウェブ論壇だ。ここでは、ウェブから出てきて名を挙げつつ、書籍の世界にも進出してきた新星たちを紹介していこう。
ここまで本文中では、学者や知識人たちによる古式ゆかしい論壇のゴシップについて触れてきた。しかし今日び、文壇ともども論壇が権威を失ってきているのもまた一面では事実である。
一方で、そのような状況とは打って変わって活況を呈しているもうひとつの 論壇 がある。それは、ウェブ論壇だ。小誌でも以前からたびたび取り上げてきた通り、ブログはもちろんのこと、ツイッターやUstream、ニコニコ動画のブレイク、そして個人メルマガブームなどに伴い、ウェブ上に新しい論壇が生まれてきているのである。そこで活躍する“識者”たちは、雑誌やテレビをはじめとするオールドメディアにも進出してきている。そしてそれは書籍の世界でも例外ではない。紙の編集者がウェブ上で新しい書き手を常に探しているのは、もはや出版業界の常識となっている。
ウェブ論壇において、いま最左翼を担うのが、ノマドや 意識高い系 と呼ばれる軍団だろう。この層の主な担い手は、『冒険に出よう』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者でノマドの提唱者・安藤美冬、『年収150万円で僕らは自由に生きていく』(星海社新書)のイケダハヤトなどだ。