事件の向こうに世相が見える──「何がどうしてそうなった」世にあふれる珍事件・怪騒動・不思議ニュースに光を!
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体罰はダメ、ゼッタイ! という昨今の空気。基本的には同意であるが、これはちょっと先生が気の毒だなあ、と思ったのが【記事A】だ。
小田原市の中学校で「50代の男性教諭が生徒から『死ね』『ハゲ』などと暴言を吐かれたことをきっかけに2年生の男子生徒16人を平手打ちする体罰があった」という。そこだけ読むと“気の短い暴力教師”のイメージだ。中2男子なんて口が悪いのは当たり前。いちいちキレてたら教師は務まらない。もしかして「ハゲ」って言葉に過敏な頭髪状態だったのか……と邪推させられるし、見出しもわざとそんなニュアンスを含ませているように見える。
しかし、細かい状況を見ると、どうも様子が違うのだ。「数学の授業に男子生徒らが遅れてきたため、教諭は『早く入れ』と促したが、複数の男子生徒が『うるせえ』『ばか』などと言い、笑い声も起きた」って、この時点で明らかに生徒のほうに非があるだろう。これで何の叱責もなかったら、そっちのほうが問題だ。