――「ハタイクリニック」院長で『ATARU』(TBS)の医療監修を行った西脇俊二氏に聞いた。
『BLACK SHEEP』の羊ちゃんも癒やしてくれるはず。
──よく「動物には癒やしの効果がある」などといわれていますが、本当ですか?
西脇 少なくとも動物を介在する治療法、いわゆる「アニマルセラピー」を受けたことで快方に向かった精神障害の方はそれなりにいます。動物によるプラスの作用は、医学的にも実証されてはいるんですよ。
──では、一説によると「見ると免疫力が低下する」といわれているスプラッタ映画やホラー映画も、動物が出てくれば……。
西脇 動物が出てきたって、ホラー映画を嫌いな人が見たら免疫力は下がりますよ。免疫力というのはストレスが生じた瞬間にスコーンと下がりますから。反対にリラックスしていたり、楽しい気分の時に免疫力は上がる。だから、ホラー映画と動物が好きな人が動物ホラーを見たら、免疫力は上がるかもしれないですね。 あと、「緊張と弛緩が得られる」という点では、ホラー映画はリラクゼーションに使えるかもしれません。ホラー映画って、怖いシーンの前に大体“予兆”があるでしょう?
──ありますね。BGMが、急におどろおどろしくなったり。
西脇 その時に大抵の人は「怖い思いをさせられる」と危険を察知して、心身共に緊張状態に入るわけですよ。それで怖い思いをさせられて、「あー怖かった」と緊張から一気に解放され、今度は弛緩状態になる。この緊張と弛緩のリズムは、実は人間がリラックスするための基本でもあるんです。