――1999年の創刊以来、芸能界から政財界、ヤクザにIT業界まで、各業界のウラ側を見てきた「サイゾー」。巷間騒がれる小誌の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい! そんな思いから、「サイゾー」を愛読している物好きな(失敬!)有名人からおなじみの識者の方々に、「サイゾー」でしか読めないオススメ記事を選んでもらう『あの有名人&識者が選ぶサイゾーレコメンド!』企画。その番外編として、「サイゾー」編集部員が、「サイゾーpremium」でのオススメ記事を選んでみました! 今回は年始のご挨拶と共に、「サイゾー」編集長が、めでたい(?)"初"モノの記事をご紹介致します。
明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
年明け早々で恐縮ですが、サイゾーというと、みなさん、どのようなイメージをお持ちでしょうか? タブー企画が多いことから、業界のタブーを破るゴシップ誌、業界の裏ネタを扱うことも多いため“裏”業界誌、もしくはシンプルに、扱う情報が雑多なため総合情報誌と見られることもあるようです。
そもそもサイゾーのコンセプトはシンプルで、ほかでは絶対読めない記事を提供することを目的としています。あらゆメディアから配信される情報以外にも、もっと面白いことがある、ということを追及しているんですね。メディア・リテラシーという大義をかざすわけではありませんが、なぜこうした報道がなされるのか? ということも踏まえ、そのひとつとしてタブーのネタがあり、業界の裏情報があるわけです。
さて、サイゾーというメディアが誕生して15年目となりますが、これまで数多くの記事を世に送り出してきました。評価を頂いたものから、苦言を呈されたもの、さらにはクレームを頂いた記事を多数ありますが、今回は比較的最近の記事の中かから、独断と偏見も踏まえ、『サイゾー史上“初”企画』を紹介していきたいと思います。
まずは、雑誌の顔とも言える表紙から。
ちょうど2年前の新年号、表紙&巻頭グラビアにグラビアアイドルの磯山さやかちゃんを起用しましたが、記念号ということで、表紙の特殊加工を敢行。表穴をあけ、モザイクをかけてみました。もちろん人気グラドルの豊満なボディにモザイクをかける愚行は、そう簡単には進みません。彼女の所属事務所とのせめぎあいも数多くありましたが、 “モザイクが薄すぎる! もっと荒く!!”といった事務所の指示がありました。モザイクを荒く! という芸能プロからの指示は、もちろんサイゾー史上初めてのこと。そういえば、表紙の色校打ち合わせの際、当時のADが、「これは、今までで一番サイゾーらしい表紙だ」という名言も、飛び出しました。
続いては、食事中の方は気をつけてください。
◎『哲学的美学的スカトロAV論「ウンコにとって美とは何か?」』
(2010年2月号「新しい日本のタブー」【哲学的美学的スカトロAV論】より)
スカトロジーの奥深さは周知の通りですが、それを哲学的、性欲的に論じたこの“コペルニクス的スカトロAV論”(この俗称は、担当編集Yによるものです。この手の記事は本当に熱心なんですけど……)の記事は、関係各所から数多くの反響を頂きました。直木賞候補作家でもある和洋女子大学の三浦俊彦教授による論考は、個人的にはとても勉強になった企画です。しかし、レイアウトが上がった時の、編集部員による叫びにも似た感想は、今でも忘れられません。その理由は読んでからのお楽しみとさせて頂きますが、冒頭に
※注意※
この記事内には刺激的な文及び画像を含んでおります。お食事中の方などは読むのお控えすることをおススメいたします。
と注意書きがなされた記事は、もちろんサイゾーでは初めてのこと。ただし内容は至って真面目です。
そして最後の記事は、突如訪れた島田紳助芸能界引退をめぐる特集。
◎『元相方・松本竜助が(降霊で)語る紳助「紳助は今"信頼できる人物"の元へおつかれさん、逃げ切りや……」』
(2011年10月号「島田紳助、その功罪と引退の是非」より)
これはサイゾーの……というよりも、ある意味、“一線を超えてしまった”と思う企画です。
既報の通り、島田紳助は反社会性力とのつながりが露呈したため、芸能界の引退を発表しました。サイゾーのみならず、多くのメディアがこれを報じたため、もはや説明するまでもありませんが、サイゾーでは、バラエティ番組に多大な影響を及ぼした“島田紳助の功罪”というテーマで、関係者からのインタビューをまとめ、第二特集として掲載。多くの方々にご協力いただきましたが、やはり「元相方への取材は絶対必要だろう!」という編集部の熱い思いから、考えに考えた結果、霊視、除霊活動を行う福山ていしん氏に協力を仰ぎ、06年に亡くなった松本竜介氏の(降霊での)インタビューに成功しました。
島田紳助のこれまでの苦労と努力をねぎらう内容で、取材に赴いた(ここでも)担当編集Yは、取材の最後、涙が出そうになったと聞きます。
『俺は、紳助の最初で最後の相方になれたことを誇りに思う。俺は漫才を辞めてから失敗ばかりやったけど、「紳助に恩返しするために、しっかりせんとあかん」てずっと思っとった。まさかこんなに早く逝くとはなあ。天国と地獄を見た人生やったな。紳助と出会えて本当に感謝しとる』
伝説の漫才コンビ『紳助竜介』解散後、両者の歩んだ道は、まったく別のものでした。晩年は決して恵まれた生活を送っていなかった竜介。でも、紳助をねぎらうその優しい人間性が垣間見れる、良いインタビューだったと思います。
ただしかし、この企画以降、『ソニーとパナソニックのCMが効果を挙げない理由とは? 盛田昭夫と松下幸之助が(降霊で)喝!』を筆頭に、なにか事あるごとに霊言に頼ろうとする編集部員の企画が頻発したのも事実です。もちろん、オカルティズムを否定することはしませんが、霊能力の才能に頼ってばかりではなく、自信が培った経験から秀逸な企画を考えて欲しいものです。とはいえ、多くのメディアが島田紳助騒動についてあらゆる角度から報じてきましたが、(降霊とはいえ)松本竜介氏の言葉を掲載したのは、サイゾーが初めてだと思っています。
……と、いったようにこれからも他では読めない記事をお届けすべく、邁進いたしますので、2013年もよろしくお願い申しあげます。