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連載
キングオブコメディ・高橋健一とアイドルライター・小明の「卑屈の国の格言録」第9回

「どんなにいい言葉でも、押し付けられるとゴミになる」卑屈な2人が相田みつをに物申す!

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どんなに立派なお言葉も、決して素直に受け取らない卑屈家が2人。そのこじれた思考に、偉人たちの格言を浴びせてみると……?

今月の格言

「やれなかった やらなかった どっちかな」

相田みつを(あいだ・みつお)
1924年、栃木県生まれ。書家、詩人。「つまづいたって いいじゃないか にんげんだもの」の一説はあまりにも有名。91年没。

 格言と言えばこの方! 私は記念館に行ったこともありますよ!相田みつをさんで「やれなかった やらなかった どっちかな」!

 この格言、ちょっと僕に言ってもらっていいですか?

 ハーイ! 「やれなかった やらなかった どっちかな?」

 うるせーよ!

 ……は!?

 何度聞いても、語尾で「うるせーよ!」っていうのが入ってくる。こんなにも「うるせーよ!」って言葉がしっくりくる言葉はないですよ。主語目的語を濁すことによって、なんにでも当てはまる、やり手の占い師的な上手さがありますよね。こっちが勝手に「あのことだ!」って思っちゃうような。「柔軟剤入れなかったことかな」「冷蔵庫の脱臭を怠ったことかな」とか。

 昔やれなかった後悔を「それは君がやらなかっただけで、やろうと思えばできたでしょう」って言われてるんですよね。

 そういうことです。戒めですよ。「本当にやれなかったのか、自分の胸に聞いてみなさい」って。「うるせーよ!」ってなる。やれなかったことがあってもいいと思うんです。迷いや躊躇によって前に進むこともあると思うんですよ。それに、みつをって、あえて片言みたいな口調じゃないですか。

 確かに「もう中学生」みたいな口調です。あと、居酒屋のトイレによく貼ってありますよね。どんなにおいしいなーって思っても、トイレにみつをの一言が置いてあるとちょっと冷めますもん。おしゃれだと思ってる芸能人の家に、ラッセンの絵が飾ってあったようなガッカリ感。

 洋式のフタを開けて、座って、正面を向いた瞬間に尋問されるわけじゃないですか。料理を食べにきたのに、なぜ啓蒙されなければならないのか。そのときに、「うるせーよ!」ってなる。まだ自分で楽しむ分にはいいんです。自室に貼らずにその詰問を投げかけられても。不特定多数の人が来るところで、さも、自分の言葉のように語りかけられても。

 どんなにいい言葉でも、押し付けられるとゴミになりますからね。

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