――1999年の創刊以来、芸能界から政財界、ヤクザにIT業界まで、各業界のウラ側を見てきた「サイゾー」。巷間騒がれる小誌の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい! そんな思いから、「サイゾー」を愛読している物好きな(失敬!)有名人からおなじみの識者の方々に、「サイゾー」でしか読めないオススメ記事を選んでもらう『あの有名人&識者が選ぶサイゾーレコメンド!』企画。その番外編として、駆け出し「サイゾー」アシスタント・Tが(暴走的に)「ひとつのテーマ」に沿って記事を選んでみました。今回のテーマは「アイドル」です!
サイゾーからもアイドル関連書籍が出て
いたり……。『泣けるAKB48メンバーヒス
トリー』(サイゾー)
サイゾー編集部にはアイドルヲタが非常に多いのです。しかしヲタといえど皆どことなくスタイリッシュ。アイドル論と同じ熱量で政治や文化についても語ることのできる当然ながら良識な大人ばかりなのです。かくいう私といえば、そういった「大人」や「良識」とはだいぶかけ離れた熱量でアイドルを愛で、諸々の上納金(CD、DVD、ライブ等)がかさみ生活が立ち行かなくなりながらもアイドルに心血を注ぐ、俺の嫁ペロペロ系のガチヲタです。サイゾーにはいろんな人がいるのですね。
そんな私めが「サイゾーpremium」の中からヲタ目線でアイドル記事をピックアップしていこうと思います。
その前に、終始私事ではありますが、先日東方神起のコンサートを観に韓国へ行ってまいりました。東方神起についての四方山は、『ついに法廷闘争終結! 東方神起の契約騒動をめぐる検証・スクープセレクション』を読んでいただけると、より理解を深めることができるかと思いますが、解散騒動を経て今は2人組で活動している彼らの生のステージに、私は打ち震えました。なんといいましょうか、こんなことを言ってはご批判を受けるかもしれませんが、解散騒動が確実に「東方神起」というグループのポテンシャルをさらに引き上げていたのです。言葉少ない少年だったチャンミンはゼンマイ科シダ植物のごとくしなやかで艶めいた肉体に毒とユーモアを携え、「熱血漢」や「リーダー」という単調な代名詞で飾られていたユンホはその豊満バディと公家顔に宿る色気をグレードアップさせつつ以前には見られなかった柔和さを増築、そんな2人はステージ上で阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)を形作り、光と闇、太陽と月、はたまた世界の始まりと終わりかといわんばかりの「対の美」を体現していたのです。眩い進化と成長、これがかの「東方神起2.0」か、と!!!
さて、私めが己の生活と精神をも脅かすほどのガチヲタであることはわかっていただけたかと思いますので本題に入りたいと思います。
東方神起をきっかけに日本でもK-POPブームが訪れました。K-POPブームなんて電通の策略だ、やれねつ造だという向きもありましたが、いやいやまずはそのパフォーマンスを騙されたと思って観て聴いてくれよ、とサイゾーが提案したのが下記の記事です。
◎磯部涼、松本亀吉ほか、ポップスの目利きが厳選! YouTubeで今聴くべきK- POPベスト40」
(2011年8月号特集「ブームの闇、暴きます。」より)
2011年の記事なので今のK-POPシーンはまた更新されていますが、既にK-POPファンである人にも、アンチの方にも一度読んでほしい説得力のある1本。
個人的に最近のお勧めK-POP PVは、無いはずのモノが勃起しそうになったセックス描写と「潮吹き隠喩」が効いているガインさんの「Bloom」です。是非ご一見あれ。そんなガインさんが所属するBROWN EYED GIRLSのインタビューも「サイゾーpremium」では読めるのです。
◎【BROWN EYED GIRLS】──平均年齢27.5歳、韓国の"成人アイドル"が歌うオトナの恋心』
(2011年2月号「インタビュー」より)
アイドルのPVを動画サイトなどで漁っているとあっという間に一日が暮れますね。そんな日々を繰り返し、リア充とはほど遠い今に至るとしても私は幸せなのです。あーアイドルヲタ楽しいな!! ってことでアイドルPV鑑賞のお供には下記の1本を。
◎【アイドルPV談議】児玉裕一×掟ポルシェ「アイドルPVはタブー破りでなきゃ面白くない!」』
(2010年12月号特集「【新】アイドルPV論」より)
児玉さんと掟さんの熱い談義はもちろんのこと、「【新】アイドルPV論」特集全体に溢れるアイドルへの熱量を感じていただければ明日からのヲタ活にも再び力が湧いてくるはず。この特集ではPerfumeのPVがなぜあんなにも秀逸なのかについても解き明かされています。
ところで、東方神起の韓国コンサートで痛感したのは、日本のエンターテインメントの環境がいかに成熟し完成しているかということでした。ただ単にアイドル自身だけを見ればどの国にも素晴らしい人材はいるでしょう。しかし、彼(彼女)らをとりまく環境には差があるように思います。例えば会場ひとつ取っても、韓国にはコンサート会場になる得る場所がほとんどありません。日本では横浜アリーナ、埼玉アリーナ、代々木体育館、日本武道館……等々、収容人数の異なる会場が関東だけでもたくさんあります。そこに加えて日本各地に5万人規模を収容できるドームもある。しかし韓国には最大で1万5000人程度しか収容できない会場しかありません。東京ドームで5万人を動員した東方神起も、韓国では1万5000人しか収容できないステージに立つわけで、そんな会場ですからステージ演出にも限界があり、アイドルコンサートの鉄板演出である“フライング”なんかも割とお粗末だったりするのです。
そこで思い浮かべたのは、ジャニーズのコンサートのあのド派手で壮大な演出力。ステージのいたるところからアイドルが飛び出てきては、会場中を華麗にフライング。カラフルなライティングに現世ではなかなか見ることのできない突飛な衣装。ジャニヲタは当たり前のようにそういったステージ演出に触れているわけですが、そのすべてが実は世界的に見ても凄い技術なのです。ジャニヲタ畑で育った私は韓国のコンサートを体感することでより一層ジャニーズの凄さに気づきました。「嗚呼、ジャニーさんって本当すごいな…」
◎フォーリーブス、郷ひろみ、田原俊彦、光GENJI、SMAP、嵐......ジャニ楽曲の半世紀史
◎もはや月9にキムタクは不要!? ドラマ評論家、批評家が語るジャニーズドラマがもたらせた功罪【前編】
◎"私だけの王子様(は~と)"の時代は終焉に──"仲良し男子グループ萌え(は~と)"へ代わるヲタ文化
(2010年10月号特集「勝手にジャニーズ救済計画」より)
ジャニヲタの皆様にも、そうではないけどエンタメ好きの皆様にも、この「勝手にジャニーズ救済計画」特集まるごとおすすめします。サイゾーでは度々ジャニーズを取り上げますが、音楽論、ドラマ論、ゴシップからファン文化論までここまで徹底的に網羅しているのはこの特集だけでしょう。読み応えあります。
手前味噌ですが私が携わったジャニーズ記事も紹介させていただきます。
◎マリウス葉は“平井堅”化する!? 整形疑惑も飛び出したジャニタレの“顔面成長”を徹底検証!
(2012年プレミア限定記事より)
ジャニヲタの私めがジャニヲタの骨格博士に聞く、ジャニヲタにしか理解できないだろうちょいとばかしフェティッシュな1本です。アイドルって文字通り骨まで選ばれしアイドルなんですよ、本当。
そういえば韓国の若者たちに声をかけて、好きな日本の芸能人を聞くとやっぱり「嵐」や「AKB48」といったアイドルたちの名前が挙げられるんですよね。K-POPと違い日本のアイドルは積極的に海外進出はしないものの、諸外国でも人気なのだな、と少し誇らしいような気持ちになりました。「アイドル」という共通言語があれば国境など関係ないのかもしれません。韓国でのコンサートで、東方神起のお2人がおどけたスキンシップをはかる抜かりないBL演出に「かわいいいいい!」「好萌~!」「귀엽다~!」と日中韓三カ国の「萌え」悲鳴が客席で交差した刹那、頭の中では尖閣も竹島も爆発し、まるで平和の鐘の音を聞くようなWe Are The Worldなカタルシスを体験しました。いやぁ、アイドルって本当にいいもんですね。
◎ついに最終章!? EXILEの異常な人気ぶりとその裏側
(2009年5月号特集「EXILE大人気のナゾに迫る!」より)
◎絶好調!の嵐はホントにスゴいのか?
(2009年11月号特集「音楽誌がゼッタイ書けない"嵐"批評」より)
◎"唯一神"秋元康総合プロデューサーが虎視眈々と構想する"SKE48全国進出計画"とは?
(2010年7月号「日本一深~いSKE【裏】ガイド」より)
中にいる人間が言うのもなんですが、サイゾーのアイドル特集はヲタの「なんでこんなに熱狂してしまうんだろう……」というところを丁寧に分解し、わかりやすく解説してくれるのが魅力だと思います。アイドルヲタが万年金欠であることは重々承知。しかし、今月は「無料キャンペーン」にてすべての記事が無料で楽しめますので、この機会に是非「サイゾーpremium」でアイドルへの愛を深めてくださいませ。