サイゾーpremium  > 特集  > IT  > 若手狩りか、メンターか? ベンチャーキャピタル基礎の【基礎】
第1特集
投資を受けたらヤバイ!? ベンチャーキャピタル最新事情【2】

若手狩りか、メンターか? 今さら聞けない"ベンチャーキャピタル"基礎の基礎

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──本文では現在のベンチャーキャピタルの流行の形や、その功罪を論じているが、そもそもベンチャーをめぐる金の流れは、世間にはさほど知られていないことだろう。ここでは、VCとは何か、日本の主なVCにはどんな会社があるのか、ざっくりチェックしていこう。

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今年11月に上場最年少記録を塗り替えたリブセンス・村上太一氏(25)。

 まず、「ベンチャーキャピタルとは何か?」という基本的なところからおさらいしていこう。起業したてのベンチャー事業では、銀行など、一般に企業が資金調達をする機関からの融資を受けることができない。事業内容も先が見えず、十分な担保もないためだ。そこで、ベンチャーキャピタル(以下、VC)から出資を受け、代わりに事業者は株式を渡す。VCは当該ベンチャーの株主となるわけだ。企業側に返済義務は生じないが、出資に見合ったリターンを出す必要がある。それが、株式を売却したときに得られるキャピタルゲインなわけだが、こうした株式の売却は「イグジット(EXIT、出口)」と呼ばれる。ベンチャー企業が取れるイグジットの種類は大きく2つ。ひとつは上場(IPO)、もうひとつはバイアウト(売却)だ。日本では上場企業・非上場企業にかかわらず「企業買収」と聞くと身構えられがちだが、例えばアメリカでは最初から「このサービスを育てて、グーグルに買ってもらおう」というのを目標に起業する創業者もいる。特集【1】でも触れている通り、IPOの間口が狭まる中で、これまでは前述の理由から忌避されがちだったバイアウトがようやく日本でも普及し始めているのは良い流れだと言えよう。上場もできず、さりとて売却もできず、リビングデッドと呼ばれる塩漬け状態になるベンチャー企業はこれまで少なくなかったからだ。

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