──当特集【2】まではアップルを中心に見てきたが、ではそのアップルと怒涛の裁判闘争を繰り広げるお隣・韓国の巨大企業サムスンを、当の韓国メディアや国民たちはどのように見ているのか? 実際の報道内容などをもとに分析した。
8月の米国におけるアップル勝訴について、サムスン側の主張を報じる韓国メディア。
手元に一枚の資料がある。それは今年2月、韓国のSKマーケティング&カンパニーが発表した、韓国国内におけるアップルのスマートフォン「iPhone」とサムスン電子のスマートフォン「Galaxy」の使用率とブランドイメージに対する調査結果だ。
結果は当然(!?)ともいうべきか、韓国人が最も使用しているスマートフォンは「Galaxy」シリーズだった。調査対象はスマートフォンを持っている成人男女の1380人で、その中で「Galaxy」を使用しているという回答が全体の47・8%、「iPhone」は21・3%だった。そのほか、国内メーカーのパンテックスカイが11・3%、LG電子のオプティマスが8・8%という結果となった。
こうした状況のなか、現在も特許訴訟問題で火花を散らすサムスンとアップルだが、韓国メディアの論調を見ていると、サムスンを擁護する内容が目立つかと思いきや、意外と問題を冷静に見ているメディアが多い。
9月に発表された韓国の聯合ニュースには「アップルはサムスンを育て、つかまえて、食ってしまう」というタイトルのコラムを掲載。ここではサムスンに対して厳しい意見が飛んだ。
「サムスンのイ・ゴンヒ会長とイ・ジェヨン社長が技術特許経営に神経を使ってこなかったため、このような事態に陥った」