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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第60回

暴露にこじつけ、中傷もアメリカ選挙戦の汚い手口

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雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。

『ザ・キャンペーン』

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ノース・カロライナ州で長年下院議員を務めてきたキャム・ブレディ(ウィル・フェレル)だったが、共和党候補の予備選にマーティ・ハギンズ(ザック・ガリフィアナキス)が名乗りを上げたことから、泥沼の選挙戦の幕が開く。注目のコメディアン2人が競演する政治コメディ。

監督/ジェイ・ローチ 出演/ウィル・フェレル ザック・ガリフィアナキスほか
日本での公開は未定


「フリーダム! ジーザス! アメリカ!」

 それがノース・カロライナ州下院議員キャム・ブレディ(ウィル・フェレル)の決まり文句だ。

「そう言えば有権者は喜ぶんだよ」

 南部では共和党の人気は安泰だ。白人の保守的キリスト教徒とハンターが多いから、中絶に反対し、銃の所持の自由を守ると言ってれば、票が集まる。ブレディは怠け者議員だったが、毎回、楽勝で当選してきた。

 ところが、今年は違った。共和党の候補を選ぶ予備選に、突如ライバルが現れたのだ。マーティ・ハギンズ(ザック・ガリフィアナキス)は、チビでデブでナヨナヨした、政治経験なしの観光ガイドだったが……史上最低の中傷合戦が始まった!

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