サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 県庁と同和団体との癒着に迫った【闇融資問題】の裏
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『黒い陽炎』(リーダーズノート)

──2001年に高知新聞で30回にわたって連載された「黒い陽炎 県闇融資究明の記録」をご存じだろうか? 地方紙ならではの粘り強い調査報道で同年、日本新聞協会賞を受賞。あれから約10年が過ぎた今、同事件とはなんだったのか? 当時の取材班の記者のひとりに、あらためてその真相を寄稿していただいた。

「黒い陽炎」は、高知県政史上類を見ない不祥事「闇融資事件」を追った高知新聞社取材班の記録だ。まず事件の概要を紹介する。

 闇融資事件とは1996~97年に、経営が破綻していた縫製業の協業組合「モード・アバンセ」を救済するため、高知県が予算を流用して計12億円もの公金を融資、その後、全額が焦げ付いた事件である。融資の事実は一部の県幹部しか知らず、県議会にも知事にも報告されなかった。高知新聞社が00年3月にこれを報道、真相追及キャンペーンを張った(01年度の日本新聞協会賞を受賞)。

 闇融資に関与した当時の副知事ら県幹部3人は県警に逮捕され、地検が背任罪で起訴。3人は最高裁まで争ったが、07年に懲役1年6カ月~2年2カ月の実刑が確定した。私は当時、県警キャップとして取材班の一員だった。

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