サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 【大物右翼】が掲げる「暴排例を排せ!」の思想
1210_yakuza02.jpg
『憂国論』(彩流社)

 私は、暴排条例には大きく分けて3つの問題点があると指摘してきました。

 第一に、世の中はいろいろな人々で構成されていて、誰と付き合おうと自由であるということ。警察に、「ヤクザとは付き合うな」と言われる筋合いはない。必要以上の介入は、社会を萎縮させることになります。第二に、警察はヤクザを辞めさせるように仕向けているが、カタギに戻った際の受け皿がない。たとえ足を洗っても、5年間は一般市民として認めないというんです。ヤクザでもなくカタギとしても認められない5年間を、どうやって生きろというのでしょうか。そして第三に、団塊世代が大量に定年の時期を迎える警察が、ヤクザから利権を奪って天下り先を確保するために、暴排条例を隠れみのとして利用していることがあります。

 かつての高度成長期なら、警察の天下り先もたくさんあった。その一方で、ビジネスをスピーディーに進めたい企業が、ヤクザに自らカネを払ってまで仕事を依頼していました。つまり、日本社会には大きな経済のパイがあって、それをみんなが分け合っていたんです。しかし今、低成長によってパイが小さくなるや、警察は自分たちの分を実力でぶんどろうとしている。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ